カウンセラーになりたいという人は年々増えているようです。
そこで資格を取ろうという人が多いのですが、資格だけ勉強してとっても、実際の臨床現場では通用しません。
今回は臨床の実践で必要なスキルを身に着ける勉強やトレーニングの仕方を解説しました。
もくじ
カウンセラーになりたい人が増えている
「将来はカウンセラーになりたいと思っています」
私の傾聴スキルセミナーや個別レッスンを受講される方、あるいはオンライン講座の会員の中には、こうしたことを教えてくれる方もいます。
これは、いずれ困っている人の力になりたいという思いでもあります。
その具体的な形の一つとして、カウンセラーという活動を選んだのでしょう。
では、カウンセラーとしてしっかりやっていくために、カウンセリングをしっかり行うために、今からどんな準備が必要になるのでしょうか。
今回は私がしてきた準備と、活動する上で心がけてきたことを紹介しながら、カウンセラーになるために必要な準備について書いてみます。
臨床に必要な4つの要素
まず、カウンセラーとしてやっていくには、大きく二つの要素を揃えなければなりません。
一つ目は臨床の力、もう一つは(生業にするなら)事業経営力です。
ですが今回は「臨床の力」についてのお話です。
しっかりとした臨床をする上で必要なのは、主に次の4つです。
1)カウンセリングスキル
2)健全なパーソナリティー
3)専門性
4)経験値
それぞれ簡単に説明します。
1)カウンセリングスキル
傾聴力・共感力・応答力・アセスメント力など、相談事例に対する必要な対応力です。
それぞれの能力をレベルアップさせるトレーニングを受けます。
2)健全なパーソナリティー
カウンセラーとしてカウンセリングをする上で、防衛のない、バランスのある、安定したパーソナリティーを有していることです。
これらを整えるためには、信頼できる指導者(スーパーヴァイザー)の教育分析(カウンセリング)を受けるのが一番早いです。
3)専門性
臨床心理の専門性と精神医学に関する、基礎的な知識と理解ですね。
これは座学に加えて様々な事例検討を通してマスターしていきます。
4)経験値
こちらもトレーニングと臨床経験、そして事例検討を重ねていくことで身に着けます。
特に重要なカウンセリングのスキルとカウンセラーのパーソナリティー
いずれも必要不可欠な要素ですが、中でも特に重要で、実際のセッションに大きな影響を及ぼすのが「カウンセリングスキル」と「パーソナリティー」です。
どちらもセッション、つまり「その場」で瞬間的に必要になる要素です。
その時、咄嗟にする反応みたいなものなので、ごまかしは一切通用しません。
だからこそ、セッションに臨む上で入念な準備を続ける必要があり、そのために必要なトレーニングや学習を積み重ねていきます。
私が師匠に弟子入りを許されたとき
私の場合、本格的に師事したのは東京在住の吉田哲という臨床家でした。
当時吉田は60台半ばで、臨床経験はすでに40年を超えていました。
吉田は戦後、カール・R・ロジャーズの来談者中心療法を日本に広く根付かせた友田不二男という臨床家の弟子のひとりでした。
私はその吉田の著書を何冊か読み、この人しかいないと吉田のカウンセリングの予約を入れました。
そして、カウンセラーとしてやっていきたいという思いを、吉田に直接伝えました。
吉田は最初のうちは「見通しが甘い」「この世界はそんなに甘いものじゃない」と私をかなり厳しく諭しました。
しかし、私がひるまずに話を続けていくうちに、吉田の表情は変わりました。
そして、吉田は私の目をまっすぐに見ながら、こういったのです。
「あなたが、この世界で腹を据えてやっていこうということだけは伝わってきた。
そこまで言うなら、私のところで学んでみる気はあるか?」
最後には吉田は折れて、私を迎え入れてくれました。
「おもしろいのが入ってきた」
後で先輩の弟子の方に聞いた話ですが、吉田は私との初対面を済ませた後、他の弟子たちに「おもしろいのが入ってきた」と言っていたそうです(笑)
これは吉田が亡くなって数年後に聞いた話なので、私の何がおもしろかったのかは、
もう確かめようがないのですが・・・
かくして私はその後、吉田が亡くなるまでのおよそ5年間、稀代の臨床家に師事することになったのです。
ダメ出しのオンパレード?ひたすら臨床の力をつけようとした修行時代
吉田の下で行ったのは、事例(逐語)検討、応答トレーニング、ロールプレイ、エンカウンターグループ、ロジャーズの文章の読解、そして教育分析でした。
教育分析の結果、私(鈴木)はパーソナリティーの面では、カウンセリングを行う上で特に問題はないとのことでした。
そうと決まれば、あとはトレーニングを徹底的に積みかねるだけです。
上記に挙げたトレーニングをひたすら続けました。
正直いって、吉田に褒められたのは、5年間でたったの一度だけ。
それ以外は全て「ダメだし」のオンパレードでした。
しかも、そのダメの出し方が皮肉たっぷりだったり、遠慮なくストレートにダメ出しをしてきました。
しかし、私にしてみれば自分のダメなところを一つでも多く摘んでいきたかったので、むしろストレートにはっきりと指摘をもらったほうが助かりました。
そして、カウンセリングのセッションの中で、あえて一番うまくいかなかったセッションの録音と逐語を優先的にみてもらいました。
その分「ダメだし」も増えるわけですが、そのダメ出しが多いほど成長が早くなるともいえるわけです。
そうしてとにかくひたすら臨床の力をつけることしか考えていなかった5年間でした。
ひたすら実践、そして事例学習
ちなみに、私は吉田に師事すると同時に、カウンセラーとしてもスタートしていました。
それまではメールによるカウンセリングをしていたのですが、そこからは対面セッションを開始していたのです。
吉田に師事した5年間は、知識の学習はそこそこで、そのほとんどの時間を「実践」に費やしました。
セッションの場面で必要になる「反射神経」を養うことに注力したのです。
また、吉田の元に集まってくる様々な事例にふれることで、専門性がついていった部分もありました。
具体的事例に細かくふれていくという経験は、今も大きな財産となっています。
また、時々吉田は、吉田自身が行ったカウンセリングの録音や逐語を公開し、弟子に向けて細かく解説を行っていました。
この時間は私にとって、もう計り知れない財産となりました。
時間を経て吉田の逐語を読むと、読むたびに自分の理解が深まっていくのを感じます。
おそらくそれは、私自身の経験値が増していくことで、その分、理解度も深まっていくからだと思います。
そして読むたびに、吉田哲という臨床家がいかに優れていたかという思いを新たにするばかりなのでした。
カウンセラーになりたいという方が、これからどんな準備をすればよいのか?
少しは参考にして頂けたでしょうか?
要は必要なことを必要なだけ積み重ねていけばいいのです。
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最後にカウンセリングや傾聴の具体的な実践演習について短い動画で解説しています。
私の「臨床カウンセラー養成塾」で受講生の皆さんに実際にやってもらっている演習であり、師匠の吉田から学んだやり方を公開しているので、ぜひご視聴ください。
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