セラピスト、カウンセラーに向いている人


セラピスト、カウンセラーに向いている人は、安定感がある人。

そして論理的な思考と情緒的な神経に優れた人であり、そうなる訓練を徹底する人です。

これはかなり重要な話なので、以下に解説します。

セラピーのカギはカウンセラーの安定感

カウンセリングを続けてきて、今、改めて思うこと。

それは、カウンセラーには人間としての「安定感」が必要だということです。

クライエントは大きな不安や苦しみを抱えて相談に来ます。

つまり、大なり小なり、不安定な精神状態で訪れるのです。

ですから、サポート役のカウンセラーが安定していることが大切です。

人間というのは不安定なとき、安定した人に接すると安定していきます。

安心できる人に接していると安心を得られます。

愛情の深い人と接していると、心が潤い、満たされていきます。

カウンセラーに対して安定感を感じることで、クライエントは徐々に落ち着きを取り戻すことができます。

落ち着きを取り戻すことで、問題にしっかりと向き合うことができ、解決行動を的確に選択できるようになります。

カウンセラーの安定感は、これほどに重要だといえます。

では、そのカウンセラーの安定感はどうすれば得られるのでしょうか?

セラピスト、カウンセラーに必要な3つの要素

カウンセラーやセラピストにとって必要な要素はなんでしょうか?

それはセラピストとしての安定感です。

安定感のあるカウンセラーは良いカウンセリングができますし、クライエントにとっても安心できます。

安定感を得るために必要なのは、次の3つです。

1)カウンセラーとしての経験値

2)クライエントに対する信頼感

3)カウンセラーの生き方

一つずつ解説します。

1)カウンセラーとしての経験値

カウンセリングの力量から出てくる安定感です。

力量を増すには、確かな訓練と経験値が必要です。

これは時間と手間を惜しまずに続けていくこと。

カギは力量をもった確かな指導者につくことです。

2)クライエントに対する信頼感

これはカウンセリングをする上でのカウンセラーの姿勢です。

クライエントの中に立ち上がる力が内在しているということ。

それを心から信じ、確信を抱いてカウンセリングに臨みます。

信頼しているので、下手に動こうという衝動も起きません。

だから、じっくり取り組んでいくという姿勢を保てます。

そこからでてくる安心感ですね。

3)カウンセラーの生き方

カウンセラーも一人の人間です。

ですから、人生の中でいろいろな悩みや問題にぶつかります。

その時、その一つ一つにしっかりと取り組み、解消し、乗り越えていく。

そういう生き方から自然と醸し出される安定感です。

セラピーの最終的な決め手は人間

私の師匠だった吉田哲は、そういうものが大事だと言っていました。

セラピーというのは、最終的には人。

その人(カウンセラー)がどういう人間かで来ます。

その人からにじみ出てくるもの、醸し出されるもの。

そういうものがセラピーの成否を決める。

吉田はそんなふうに言っていました。

確かに、吉田から醸し出されるものは、他の誰も醸し出せないものでした。

なぜなら、それは吉田の生き方からにじみ出るものだからです。

だから、私たちも自分の人生でぶつかる困難にしっかりと向き合い、乗り越えていくことが大切です。

その生き方そのものが、カウンセラーの安定感となってクライエントにしっかりと伝わるからです。

こうしたものは勉強やトレーニングでは十分に醸し出せません。

やはり、普段からの生き方や姿勢によって熟成されていくものです。

良いカウンセリング、良い援助とは、援助者の生き方で決まるといっても、決して言い過ぎではないと、私は思っています。

日々の過ごし方、人生観が、より良い援助を生み出すといえますね。

カウンセラー、セラピストを長く続ける秘訣とは?

カウンセラーとして、カウンセリング活動を長く続けられる人。

そうした人には、一つの特徴があります。

その特徴があることで、カウンセラーとして息が長く、しかもしっかりとカウンセリングを続けられています。

私の周囲にいる、息が長くしっかりとした活動を続けているカウンセラーの方も、皆共通してその特徴を持っています。

では、 その特徴とは何でしょう。

それは「論理的である」 という特徴です。

「論理的」であり、 「客観的」であり、「理性的」であるという特徴です。

物事の捉え方、分析の仕方、アウトプットの仕方にそうした特徴があります。

論理的に、客観的に、そして理性的に物事を捉え、分析をし、考え、伝えることに長けています。

しかし、ただ論理的な人間であるということではありません。

一方では情緒的で、感受性豊かで、豊かな感情理解ができる人でもあるのです。

一言で言うとそれは共感的理解に優れた感性を持っているということです。

この感性を持った上で、論理的、客観的、理性的な面も持っているということです。

共感的理解と客観的理解の両方が重要

カウンセリングの面接場面で言えば、共感的理解と客観的理解と、その両方を十分に機能させる人と言えます。

私の師である吉田も、客観的理解の重要性を生前よく説いていました。

共感的理解だけではしっかりとしたカウンセリングはできないというのです。

十分な共感的理解は大前提だが、その上に客観的理解を持たなければ、クライエントの経験の世界に対して、しっかりとした現実検討ができないと言っていました。

共感的理解とは、クライエントが言いたいことを言いたいままに受け止めることです。

クライエントが理解して欲しいことを理解してほしいままに理解する。

この理解なくしてカウンセリングは成り立ちません。

しかし一方で、クライエントのその先の人生や問題解決を考える上では、客観的理解を用いて現実検討をしていく必要があります。

分かりやすく言うと、クライエントの言い分を正確に理解し、共感した上で、その問題点をしっかりと把握し、分析する。

ケース検討には必ず必要な作業です。

ここではクライエントのある部分を問題視することになります。

この問題視をすることと、クライエントの話を否定的に聞くこととを、混同する人がいます。

クライエントの話はあくまでも肯定的に聞き続けます。

クライエントを前にした時、あくまでも肯定的態度、姿勢を貫きます。

そして面接が終わって振り返る際に、クライエントの話したこと、その全体的なことに対して問題があるならば「問題視」していきます。

この「問題視」が的確に行われなければ、クライエントが立ち直る道筋が描けません。

この問題視を的確に行うためには、 客観的理解が必要不可欠です。

ここに客観的理解がなければ、問題視のつもりでいてもそれは「感情的な人」に過ぎません。

カウンセラーがクライエントを感情的に否定すれば、もうカウンセリングはできなくなります。

感情的にではなくあくまでも理性的に捉える。

客観的な理解から論理的に分析をする。

これはクライエントを捉えるときだけの話ではありません。

カウンセラーが「自分自身」を捉える際にも必要不可欠な姿勢です。

カウンセラーとして自分自身を客観的に捉え、 論理的に分析をし、理性的な姿勢を維持するからこそ、この仕事を長くしっかりと続けることができます。

もちろんそれは共感的理解の反射神経を常に磨き続けることが前提になります。

どちらかに偏るのではなく、どちらも磨き続けていくこと。

それがカウンセラーとして長くしっかりと活動する秘訣だと言えます。

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心理カウンセラー・臨床カウンセラー養成塾 塾長 鈴木雅幸(コーチ・企業研修講師)のプロフィール

台湾でも出版された「感情は5秒で整えられる(プレジデント社)」の著者で、心理カウンセラーとして6000件以上(2020年4月現在)のカウンセリングを実施。
5年間にわたりスクールカウンセラーとして教育現場の問題解決にあたり、現在も個別に教育相談を受ける。
大手一部上場企業を始めとした社員研修の講師として10年以上登壇し、臨床カウンセラー養成塾を10年以上運営。
コーチとしても様々な目標達成に携わる。
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著書「感情は5秒で整えられる(プレジデント社)」