カウンセラーにも先生(カウンセラー)が必要です


確かなカウンセリングをするためには、カウンセラー自身もカウンセリングを受ける必要があります。

信頼できる指導者(カウンセラー)にスーパーヴァイザーになってもらい、カウンセリング(教育分析)を受けてください。

自分のケースに一人で悩んだり抱え込んだりすると、最終的にはメンタルを病んだり、廃業に追い込まれることもあります。

確かな指導を得て、実力を高め、カウンセラーを安定して続ける道筋をもってください。

以下にわかりやすく解説します。 

カウンセラーの先生(カウンセラー)、SV(スーパーバイザー)

カウンセリングの仕事で一番危険なのは、自分のケース(事例)を一人で抱え込んでしまうことです。

特に経験の浅いうち、自信がないうちは、必ず信頼できるカウンセラー(スーパーヴァイザー)に指導を仰いでください。

私も過去に優れた臨床家のもとで指導・訓練を徹底的に受けました。

現在はカウンセラーのスーパービジョンや教育分析を私自身も行っています。

実際にカウンセリングをした事例。

この事例を検討することは、とても大切なことです。

事例は実際にカウンセラーが担当しているものです。

ですから、その事例を検討することで、次の面接に備えられます。

つまり、リアルタイムで良い対応をクライエントに提供できるわけです。

これをカウンセラーが一人で抱え込んでしまうのは危険です。

特に心理面接は精神が不安定な方も来られます。

そういうケースを経験が十分ではないカウンセラーが一人でやり続ける。

これはぜひ、避けて頂きたいところです。

良いカウンセリングを行う。

カウンセリングの技術を向上させる。

この両方の意味では、スーパーバイザー(指導者)の存在は必要です。

事例検討が大切な理由はもう一つあります。

それは、実際のケースにふれることで学べることが多いからです。

テキストや理論書の理論にふれることも大切です。

しかし、実際の事例では、より具体的な問題にぶつかります。

沈黙になった場面も、その流れや場面の持つ意味、そのクライエントとの関係性など、一つ一つ全部違います。

クライエントが話す内容も、クライエントによって違います。

また、同じクライエントでも、話す内容は毎回違います。

こうした一つ一つの具体的な場面で、カウンセラーはその対応を求められます。

テキストや教科書的な対応など、全く通用しない世界です。

つまり、一つとして同じ事例はなく、一つとして同じ場面や瞬間はない。

しかし、全ての場面で求められるのは咄嗟の反応や対応です。

事例検討はそうした具体的対応を学べる貴重な学習体験です。

例えそれが自分の事例でなくても、非常に多くを学べます。

人間というのはどういう場面でどう困るものなのか?

どん底からいかにして立ち直っていくものなのか?

人間の価値観は、一人一人どれほど違うものなのか?

人間関係の機微とは、どう表れ、どんな風に感じられるものなのか?

問題の本質とはどこにあり、どう究明していけるのか?

根本的な解決とは、いったいどんなものなのか?

こうしたことは実際のケースからしか学べません。

少なくとも、教科書でリアルに学ぶことは不可能です。

事例検討をする際には、事例に精通した指導者の元で行うのが賢明です。

面接の対応について、具体的な場面別に指摘できる人間。

大雑把な指摘ではなく、一言半句のレベルでフィードバックが出来る人間。

そして、一つ一つの事例を丹念に、そして深く検討できる人間。

そういうスーパーバイザー(指導者)と行うのが望ましいでしょう。

カウンセラーのカウンセリング(教育分析)

プロのカウンセラーとしてどういった研修を受ければ良いか。

以前にもブログで書いたことですが、とても大切なことなので、改めて書きたいと思います。

プロカウンセラーとしてのスキルをレベルアップさせるには、主に次の研修や指導を受けることをおススメします。

1)自らもカウンセリング(教育分析)を受ける

自分自身の内面のバランスをチェックし、カウンセラーとしての資質を磨きます。

スーパーバイザーにカウンセリングをお願いするといいでしょう。

2)ケース指導(スーパービジョン)を受ける

自分の行っている面接を信頼できる指導者に見てもらいます。

一人で抱え込むことだけは避けたいところです。

3)ロールプレイ実技演習を受ける

きちんと録音を撮り、その録音記録を検討します。

もちろん、きちんと指導できる人に検討してもらいます。

4)応答訓練を受ける

カウンセラーとしての応答(レスポンス)を磨きます。

できる限り様々なケースを素材に行うと良いでしょう。

5)以上の実技と理論学習を突き合わせる

実践・実技訓練とセットで学習することに意味があります。

理論だけではなく、実践体験(面接経験)から立ち返ることが大切です。

こうした研修を地道に積み重ねることによって、実際のカウンセリング面接のスキルが磨かれます。

これらを全て受講できる場所が見つからない場合は、どれか一つでも受けられる所でお願いするといいと思います。

漫然と面接を続けるだけでは、やはりカウンセリングのスキルは磨けません。

なるべく充実した訓練とセットにできるようにすると経験をつむほどに力がついて、様々な場面に対応できるようになります。

カウンセラーの悩み

「カウンセラーとして独立するのに必要なことは何でしょう?」

今日は養成塾の「体験講座」を受講して下さった方とフォローアップということでお会いました。

90分ほどのお時間の中で、いろいろなお話をしました。

その方から頂いた質問の一つが、上記の質問でした。

その方のお話や決意のほど等、いろいろお聞きしながら、私は次の3つのことが大切ではないかとお伝えしました。

1)信頼できる指導者を持つこと

特に独立して自分の相談ケースを持つようになった場合、一人で抱え込んでやるのではなく、適切な指導を受けること。

こうした場を確保することが必要ですね。

一人で抱え込めば、伸び悩むばかりか、難しいケースに精神的に参ってしまう場合もあります。

常に自分のケースについてアドバイスがもらえるようないわゆるスーパーバイザーが必要になります。

2)同じ方向を向く仲間を持つこと

私の場合もそうなのですが、起業家仲間とか、個人事業主の仲間を持つことをおススメします。

もちろん同じ心理の世界でもいいのですが、できれば他の世界、異業種同士のネットワークがいいでしょう。

独立してカウンセリング事業を行うとき、お互い前を向いて励まし合える仲間がいることで、一人でがんばるよりもがんばれるものです。

3)経験値を積んで力に変えていくこと

この仕事は自信をもって臨むということが難しい仕事です。

なぜならば、相談内容というのはどれも非常に困難なもので、そうそう簡単に解決の道筋は見つからない場合が多いものです。

だから私自身、特に最初の面接に臨む際には、自信などというものはほとんど無いといっていいでしょう。

ただ、経験値を積み上げていくことで、臨床家としての力をつけていくことはできます。

信頼できる指導を受け、その上で経験を積んでいけば、必ずそれが大きな力となって発揮できるようになるはずです。

経験を通して身体で覚えたものこそが、自分にとって本当の「力」に変わっていくものです。

苦労して身についたものこそが、「自分のもの」になるわけです。

この3つのポイントを守ってやることで、右も左もわからないままに自己流でやるよりは、はるかに確かな道のりを進めるようになると思います。

最後に、カウンセラーを仕事としてやっていく場合、特にそれで生活もしていこうという場合は、経営や事業の運営に関しての勉強も必要です。

既に軌道に乗せている先輩のカウンセラーや、カウンセラーの活動を熟知しているコンサルタントに指導を受けると良いでしょう。

地方ではカウンセラー自体が少ないため、比較的生活していけるレベルの収入は得やすいようです。

しかし、大都市圏はカウンセラーや団体の数が多く、収入を得るのに苦労します。

その場合はカウンセリングだけでなく、セミナーや講演、勉強会、グループセッションなど、幅広く活動するといいでしょう。

1対1のカウンセリングをしっかりと出来る力さえあれば、セミナーやグループセッションもしっかりと出来るはずです。

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心理カウンセラー・臨床カウンセラー養成塾 塾長 鈴木雅幸(コーチ・企業研修講師)のプロフィール

台湾でも出版された「感情は5秒で整えられる(プレジデント社)」の著者で、心理カウンセラーとして6000件以上(2020年4月現在)のカウンセリングを実施。
5年間にわたりスクールカウンセラーとして教育現場の問題解決にあたり、現在も個別に教育相談を受ける。
大手一部上場企業を始めとした社員研修の講師として10年以上登壇し、臨床カウンセラー養成塾を10年以上運営。
コーチとしても様々な目標達成に携わる。
 詳しいプロフィールはこちら

著書「感情は5秒で整えられる(プレジデント社)」