傾聴力の鍛え方(傾聴トレーニングの方法)

傾聴力の鍛え方、正しい傾聴トレーニングは何か。

実は、ほとんどの人が正しいやり方を知りません。

傾聴力を身につけるには、正しい方法があります。

ほとんどの人が知らない正しい傾聴トレーニングについて、解説します。


【筆者プロフィール】
心理カウンセラーとして6000件以上(2020年4月現在)のカウンセリングを実施。
5年間にわたりスクールカウンセラーとして教育現場の問題解決にあたり、現在も個別に教育相談を受ける。
大手一部上場企業を始めとした社員研修の講師として10年以上登壇し、臨床カウンセラー養成塾を10年以上運営。コーチとしても様々な目標達成に携わる。
著書「感情は5秒で整えられる(プレジデント社)」は台湾でも出版された。
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カウンセリングを受けたい人より勉強したい人の方が多い

私はこれまで「傾聴」の個別レッスンや傾聴セミナーを14年間続けてきました。

面白いことに、受講者はカウンセラーよりも圧倒的に一般の方々が多いんです。

会社員の方、専業主婦の方たちです。

そしてこの方たちは、別にカウンセラーになりたいわけではないんです。

ただ、人の話をしっかりと聞けるようになりたい。

コミュニケーションのスキルを身につけたい。

傾聴力を仕事や日常の人間関係に活かしたい。

そういう動機で(思いで)勉強されています。

そしてこの勉強がとても「面白い」と言います。

発見が多い、気づきが多い、そして人とより上手に、深く関われるようになる。

考えてみると、何かを勉強して人と深く関われるようになることってなかなか無いですよね。

人との関わり方を実践的に(現実的に)学べる機会もない。

そして話し方だけでなく、聞き方を詳細に、緻密に学べる機会もなかなかない。

「話し方教室」はいろいろありますが、「聞き方教室」ってあんまりない。

それも聞き方をしっかり、実践的に様々な例を用いて学べるところはもっと無い。

だから傾聴の勉強を「面白い」と思って頂けるのは、そういう意味での希少価値を感じて頂けているからでしょう。

そしてコミュニケーションを深く学べば学ぶほど、自分自身についてもいろいろ気づきを得られる。

学習してみて「ここまで自分自身を内省できるとは正直、思わなかった」という人もいます。

なぜ傾聴を勉強する人が増えているのか

ここ数年、企業の社員研修でも、「傾聴」というテーマやワードを見かける機会が増えました。

それは昨今の「働き方改革」「ハラスメント対策」「ストレスチェック」などの社会問題。

その注目度が上がったからでしょう。

つまり人への関わり方を見直しましょうとそういう動きが出てきたわけです。

そのため、これからは「傾聴」を学ぶ人がますます増えてくると感じています。

聞き方のスキルを高め、傾聴力をもつことは仕事や人間関係、そして人生そのものを変えていくでしょう。

今後、傾聴の学びは「ハラスメント」などの防止や対策に直結してきます。

そうした意味で「傾聴力」はますます注目されていくと思います。

但し、傾聴を勉強する際には、以下の動画も観ておいてください。

なぜ傾聴したくてもできない人が多いのか

「傾聴がどうしても上手くできない」

そういうご相談も非常に多いですね。

傾聴がうまくできないということは何を意味するのでしょうか。

それは相手の話をしっかりと聞けないということです。

相手の話をしっかりと聞けないというのは、相手の話を正確に聞けないということ。

正確に聞けないから、その後の共感や応答もうまくできなくなるのです。

ですからカウンセリング成功のカギを握るのは、とにもかくにも傾聴ということになります。

ではなぜ相手の話を正確に聞けなくなるのでしょうか。

私たちが相手の話を正確に聞けないのは、 正確に聞くために必要な神経を充分に使い切っていないからです。

別の言葉で言うと、相手の話を聞くために充分に集中できていないということです。

つまり、相手の話に集中できていないということです。

そして、集中できないのは集中することを邪魔する要素が働くからです。

相手の話を正確に聞くということ以外に注意や意識が奪われているからです。

まあ一言で言えば余計なことを考えているからです。

余計なことが気になってしまうからです。

余計な事というのはこの場合、相手が話していること以外のことです。

傾聴できないのは集中できていないことの自覚がないから

相手の話を聞いているとき、一瞬でも余計なことに注意がそれればもうその瞬間から相手の話を聞けなくなっているはずです。

傾聴がうまくできないという人のほぼ100%が、この状態に陥っています。

そして厄介なのは、多くの人に集中が切れている、注意が逸れているということの自覚がないことです。

当の本人は至って真面目に、そして一生懸命に聞いている・・・つもりです。

しかし実際は余計なものが邪魔をして、微妙に注意がそれ、集中力を欠いています。

ところが本人にはそれが意識できないことが多いのです。

まずはこのギャップに気づくことが肝要です。

自分は集中力が揺らぐのだ。

瞬間的に邪魔する要素が働いてしまっているのだ。

このことに 気がつくことが 傾聴上達の第一歩となります。

そして相手の話を正確に聞くという目的を達成するために、集中力を持続させる力が必要だと知る事です。

最初から最後まで相手の話を一言半句正確に聞き続けるスキルです。

じゃあどうすれば一言半句正確に聞けるスキルが身につくのでしょうか。

傾聴力の鍛え方、その王道

一番良いのは自らの逐語を指導者に検討してもらうことでしょう。

それから実際に一言半句正確に聞ける人間の聞き方を目の当たりにすることです。

加えて指導者の教育分析を受けることです。

自らカウンセリングを受けることで、聞くことを邪魔する要素が自分の中にあるのかどうか。

あるとして、それが瞬間的にどのように働いてしまうのか。

こうしたことに気づき、分析してもらい、その問題としっかりと向き合うことが必要です。

本当に傾聴力を付けたいのならこうしたことから逃げてはなりません。

傾聴とは相手がいる話です。

悩んでいる人が真剣に何かを打ち明けてくれる。

そういう話を聞こうというのですから、それが聞けるだけの条件整備を自らに課す。

そこから逃げてはなりません。

逐語検討、模範の研究、そして教育分析。

これらを継続して積み重ねていくことで、結果として傾聴力が備わってきます。

必要なことに必要なだけしっかりと集中できる体制が整うわけです。

傾聴がしっかりと上手にできるようになるのは、こうした積み重ねの下地があってこそなのです。

傾聴力を鍛える具体的なトレーニング方法8選

1)会話を録音する

自分の実際の会話やカウンセリングを録音します。

もちろん、どちらも相手の了解を得ての録音です。

その録音を何度も聴き返し、正確に聞けているかをチェックします。

大抵聴き返すと、自分が正確に聞いていないということがわかります。

2)録音したものを逐語記録にする

録音を再生しながら、一字一句忠実に(正確に)文字に起こします。

そして音声を聴きながらその逐語記録に目を通して、音声記録と文字記録の両方を突き合わせながらチェックします。

音声だけよりも、より厳密な検討が可能になります。

3)教育分析を受ける

指導者のカウンセリングを受けます。

傾聴は余計な思考や感情が働くとできなくなります。

教育分析は、こうした余計な反応が起きないように自己分析、自己チェックをする意味もあります。

4)エンカウンターグループを経験する

こうしたグループ経験は、集団の中で自分がどんな反応を起こすかを知る良い機会です。

一対一とは違う反応、コミュニケーションのクセを知ることになります。

傾聴力を鍛えるには、自己を深く知るということも大切です。

5)正しいロールプレイを行う

正しいロールプレイは録音を撮ります。

その録音を何度も聴き返したり、場合によっては逐語記録を作成します。

そうした客観的な記録学習を必ず行ってください。

6)信頼できる指導者の指導を受ける

これらの方法は一人で行ってもあまり効果がありません。

録音記録や逐語記録の指導がきちんとできる指導者の指導を受けましょう。

7)音声を倍速で聴く

録音した音声を1.5倍速から2倍速で聴きます。

これは傾聴に必要は相手の話を一言半句正確に聞く反射神経を鍛えます。

一言半句、一字一句、全てを正確に聞く訓練の一つです。

録音記録だけではなく、ネット上の動画や音声を聴くのも良いでしょう。

これなら一人でもできます。

8)臨床家の逐語分析を読む

逐語分析が掲載されている臨床家の書籍を読みましょう。

代表的なのはカール・ロジャーズです。

日本では友田不二男、遠藤勉、吉田哲などの臨床家の著書ですね。

※ちなみに私はこれら全ての指導を受け、現在はこれらの指導をしております。

【まとめ】

傾聴力を鍛えるには、音声や文字といった客観的な記録を用いることです。

ロールプレイにしても、作り話ではなく実際の話をした方が、より実践的なトレーニングになります。

そして大事なことは、こうしたトレーニングには、それらをしっかりと指導できる指導者が必要だということです。

音声や逐語記録を一言半句のレベルで厳密に分析・フィードバックできる指導者です。

この指導ができるには、実際のその指導者もそうしたレベルのカウンセリングが出来る必要があります。

世の中の多くの人が傾聴力がつかない、カウンセリングが上手くできないのは、こうした記録学習をしていないからであり、信頼できる指導者に恵まれていないからです。

記録学習と指導者、これが傾聴力を鍛えるカギになります。

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心理カウンセラー・臨床カウンセラー養成塾 塾長 鈴木雅幸(コーチ・企業研修講師)のプロフィール

台湾でも出版された「感情は5秒で整えられる(プレジデント社)」の著者で、心理カウンセラーとして6000件以上(2020年4月現在)のカウンセリングを実施。
5年間にわたりスクールカウンセラーとして教育現場の問題解決にあたり、現在も個別に教育相談を受ける。
大手一部上場企業を始めとした社員研修の講師として10年以上登壇し、臨床カウンセラー養成塾を10年以上運営。
コーチとしても様々な目標達成に携わる。
 詳しいプロフィールはこちら

著書「感情は5秒で整えられる(プレジデント社)」