傾聴力をマスターするための傾聴トレーニングは近年企業の研修でコミュニケーション能力アップの方法として取り入れられています。
具体的にはロールプレイや逐語記録による訓練が最も効果のある方法です。
そして、これらもやり方を間違えると効果がなく、正しい方法があります。
ビジネスやカウンセリングでも広く活用できる傾聴力のトレーニングの方法について解説します。
もくじ
企業の教育研修でも注目の傾聴力のトレーニング
近年、企業の研修でも「傾聴」をテーマにしたものが増えてきました。
その背景には生産性の向上や働き方改革を目指す上で、社員一人一人とのコミュニケーションの質的向上がより求められていること。
また、コロナによるリモートワークにより、職場の人間関係にある種の分断が生じ、以前よりもコミュニケーションを細かく取る必要が出てきたことがあります。
日本でもアメリカ企業のように「1on1」ミーティングが採用され始めたのも、こうした背景が起因していると思われます。
相手としっかりコミュニケーションを取り、会話の質をあげ、人間関係を築いていうことは、ビジネスの世界でも以前より重視されてきました。
また企業のメンタルヘルスの問題も深刻で、そこでも傾聴力やコミュニケーションの重要性が注目されています。
心理相談、カウンセリングでは最重視されている傾聴力
心理の世界、福祉や公的な相談業務においても、傾聴力は必要です。
カウンセリングでは傾聴にはじまり傾聴に終わるといってもいいほどです。
そのため、カウンセラーは傾聴力のトレーニングに多くの時間と労力を割きます。
カウンセリングでは共感も大事とされますが、その共感も傾聴がしっかりできなければ成立しないのです。
傾聴力はオウム返しなどではない
よく傾聴=オウム返しという間違った教え方が未だにされています。
やってみればわかりますが、オウム返しを連発したら、相手に嫌がられたり失望されるのがオチです。
真の傾聴とは相手の話を正確に聞くことです。
相手が本当に言いたいことを言いたい通りに正確に聞くことが傾聴です。
そしてほとんどの人がこの「正確に聞く」ができず、迷走しているのが実態なのです。
傾聴トレーニングでも進歩が感じられない?
「なかなか傾聴の力がつかない」
「どうしたらもっと聞けるようになるのか」
「ちゃんとした受け答えができない」
傾聴やカウンセリングの勉強、コミュニケーショントレーニングをしている人で、こんな風に悩んでいる人は多いと思います。
勉強やロールプレイなどをやっても進歩が感じられない。
上達してきたという実感がもてない。
そう葛藤しながらの学習を続けていることと思います。
では、どうすれば自分の傾聴やカウンセリングの実力が向上した、進歩した、上達できたと実感できるようになるのでしょうか。
傾聴力を養うため逐語記録と向き合う日々
実は私も傾聴やカウンセリングのトレーニングを受け始めて、なかなか進歩・上達が実感できなかったのです。
特に最初のうちは、自分の逐語を造るのが嫌でした。
全然出来ていないカウンセリングの記録を正確に作成する作業ですからね。
しかも「自分の」ですから、毎回自分のダメさ加減を突き付けられるようでうんざりしながらやってました。
師匠の吉田はカウンセリングの達人でしたが、教え方は体系化してはいませんでした。
今思えば、もっと体系化されていたら上達する人がもっといたと思います。
また、私自身も、もっと早く上達できたのではと思います。
ただ、吉田は言葉少なに鋭い指摘、確信をつくアドバイスはしてくれました。
私はその少ない言葉を記録し、何度も何度も読み返したものです。
吉田の研究所には週2~3回のペースで5年間通いました。
その半分は自分の逐語を造って検討してもらっていたと思います。
逐語検討の数は100回以上、それ以外のトレーニングや研修もいろいろ。
受講者(弟子)の中では、最も多く逐語検討をしていたと思いますね。
しかし、なかなか先が見えない日々が続きました。
上達したという実感は遅れてやってくる?
このまま努力しても、自分はこの世界では通用しないのでという思いがよぎることも何度もありました。
それでも最終的にはこのトレーニングを「続けるしかない」という結論に至ります。
練習やトレーニングを始めた最初の数か月~数年は、はっきりとした上達実感は得られません。
受験勉強でも、仕事でも、スポーツや習い事でも同じです。
始めていきなり目に見えて上達するのは、ごく一部の例外的な資質の持ち主です。
ほとんどの人は初めは上達につながる手応えはなく、ある程度の期間、じっと耐えて正しい訓練を繰り返すことになります。
上達実感が得られるのは、通常は数か月から数年してからでしょう。
これはいろいろな分野で共通していることです。
だから私もはっきりとした上達実感を得たのは、カウンセリングの訓練を始めて6年ほど経ってからでした。
傾聴力やカウンセリングはわずかな上達や変化も見逃さないのが大事
実は、師匠の吉田も同様だったのです。
プロとしての傾聴力を養うまでに6年かかったと言っていました。
25歳から始めて31歳になる頃に「聞けるようになった」という実感を得たそうです。
私の場合は37歳から吉田に師事し、43歳になったあたりから、その実感が出てきました。
では、現在私の個別レッスンを受けている人たちはどうか?
その上達はもっと早く、個別レッスンを数回受けた時点で、小さな上達を見せます。
それは、私が教え方を体系化したことと、本人も気づかない(自覚できない)小さな上達を見逃さずに本人にお伝えするからです。
「え?私、上達してるんですか?変ってきてるんですか?」
私が受講生にそのことを伝えると、よくこんな言葉が返ってきます。
こうした小さな変化(上達)を自覚することは、実はトレーニングを続けていくモチベーションを保つ上で重要なんです。
傾聴トレーニングは結果を求めない人が上達する
いずれにしても、初めのうちははっきりとした上達実感はもてません。
正直、数回のレッスンでそこまで上達できたら、誰も苦労しません。
しかし、中には少しでも早く結果を求める人もいます。
残念ながら、こういう人は上達できずに終わることが多いです。
早く結果を欲しがるために、なかなか結果がでないことを受け容れられない。
それでトレーニング自体をやめてしまうので、上達を経験できないのです。
結果や上達実感を得るまでには、努力を始めてから長いタイムラグがあるのが普通です。
しばらくはコツコツ努力して、結果は気にしないことです。
そして、そのコツコツ続ける努力の先に変化・成長が起こります。
結果を早急に求めず、やるべきこと、必要なことを続ける。
私もそうした取り組みを続けて、今日があると断言できます。
続けた先を信じて、続けることに気持ちを集中させるのが秘訣ですね。
【動画】カウンセリングや傾聴って どう勉強すればいいの?
最後に、カウンセリングの勉強法、傾聴トレーニングの方法について短い動画で解説しています。
傾聴力の向上、カウンセリングのスキルアップに直結するものを解説しているので、ぜひご視聴ください。
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