傾聴した後の言葉の返し方・応答技法


傾聴やカウンセリングで皆さんが最も困ること、一番知りたいことは、相手(クライエントや相談者)の話を聞いた後、どのように言葉を返せば良いのか(応答)ではないでしょうか?

応答の秘訣はズバリ、正確なインプット(聞けていること)と的確な理解です。

今回は実践で通用する応答技法の原則を具体例も交えてわかりやすく書きました。

話を聞いた後、どう言葉を返せば良いのか

私は現在も「カウンセリングマインド養成コース」 というカウンセリングの個別レッスンを実施しています。

学ばれている方は様々で、セラピストの方はもちろん福祉に従事されている方や看護師の方などです。

それぞれの現場でカウンセリングであったり、カウンセリングのような関わりが必要とされるからです。

そうした皆さんが個別指導を希望される理由はそれぞれの現場で困る場面があるからです。

それはクライエントや 利用者、患者とやり取りをする場面です。

相手が何らかの話をしてきた時、何らかの訴えをしてきた時、その話や訴えに対し、どんな言葉を返せば良いのか?

そもそもその話をどのように聞けば良いのか?

これが現場で最も悩み困る問題だというのです。

相手から出てくる話や訴えは、 その時々ですべて違います。

同じ相手と話していても、 瞬間瞬間に出てくる話の内容、 言葉、表現。

そこに込められた気持ちやニュアンスなど、毎回違うのです。

ですから、そうした場面場面にあった対応をどうすればいいのか。

どんな言い方、どんな言葉であれば、相手の話を聞けて理解できたことが伝わるのか。

どんな言葉を返せば、 相手の投げかけや訴えに応えたことになるのか。

現場では日々、 こうした問題に何度も何度もぶつかるというのです。

最適な応答(言葉の返し方)はあるのか?

考えてみれば、これは セラピーの現場や福祉・ 医療の現場だけの話ではありません。

教育現場や企業などの職場、家庭など、 あらゆる人間関係の場面でぶつかる問題です。

個別レッスンに訪れる人たち。

彼らはこうした生活のあらゆる場面でぶつかる問題も背景にありながら、 レッスンでその答えを探し続けているといえます。

「話をちゃんと聞く」「相手をしっかりと理解する」「心ある対応を取る」

これらは人間関係のあるところ全てで、常に問われているテーマでもあります。

その答えを求めて、ある人は自分が学んでいるカウンセリング機関のロールプレイの録音と逐語記録を携えてレッスンに訪れます。

ある人は在宅看護師として訪問時の利用者との会話の逐語記録を、またある人は、自主的に行っている学習仲間とのロールプレイを携えて。

カウンセラーの方は、自分のカウンセリング面接の録音と逐語を手に、レッスンに通っています。

では、相手の話や投げかけ、訴えに 適切に答える秘訣はあるのでしょうか?

どうすれば心はある言葉を投げ返すことができるのでしょうか?

最適な応答の答えは相手の話の中にある

その答えは、やはり、相手の話を投げかけの中にあります。

相手の訴えを しっかりと受け止め、十分に応えていくヒントは相手の訴えの中にあります。

だからこそ、その 相手の話や訴えを精密に分析していく必要が出てきます。

私が録音記録や逐語記録の検討が欠かせないと考える根拠が、ここにあります。

相手が話している出来事や内容もさることながら、その都度使われている言葉や表現、話し方のトーンや言い回し。

そのひとつひとつに意味があり、根拠を探すことができます。

話し手が 話した内容、 使った言葉や表現、話し方(口調・強弱・高低など)。

これらを詳細に検討することで見えてくるものがたくさんあるんです。

逆に言えば、 こうした緻密な作業をしなければ、相手が伝えたかったことを正確に受け取ることはできません。

緻密な作業をなくして、傾聴も共感的理解も、生きた受け答え(応答)も、できるはずもないの。

しかし、こうした緻密な作業を続けている人たちのレベルアップには目を見張るものがあります。

詳細な検討作業の回を重ねるごとに、着実に話の聞き方や理解の精度、受け答えのクオリティが向上していきます。

傾聴レッスンで行うロールプレイも同様です。

ロールプレイのやり取りを分解検討していくことで、今までわからなかった聞き方のクセ、共感的理解の感覚。

そして、心ある受け答えの方法が理解できるようになるわけです。

カウンセリングの応答技法、その秘訣

傾聴や共感、カウンセリングの勉強で、多くの人がぶつかる”壁”があります。

特に「ロールプレイ」などをやると経験する壁です。

それは「言葉をどう返していいかわからない」というもの。

カウンセリングでも、カウンセラーはクライエントの話を聞きますね。

相談者が話終わった瞬間。

そして、こちらには何らかの「リアクション」が必要になります。

ただ黙っているだけとか、うなずくだけでは不十分。

「そうですか」「そうなんですね」でも、とても物足りない。

話した人間にしてみれば、「ん?」となります。

なぜなら、うなずくだけとか「そうなんですね」だけでは、話した人間は、自分の話が伝わったかどうかがわからないからです。

いえ、正確にいうと、伝わったという実感、わかってもらえたんだという実感が得られないのです。

「そうなんですね」の「そう」って、何を指しているのだろう?

何について、カウンセラーは「わかった」のだろう?

私の話を聞いて、この人はどう感じたのだろう?

それが話した方からすると、わからないので不安になるのです。

そこで、カウンセラーには、相手の話を聞くたびに、何らかのしっかりしたリアクションが必要になります。

では、しっかりとしたリアクションとは何でしょう?

それは、やはり言葉です。

それも「そうなんですね」「辛かったですね」といったものではありません。

当然、オウム返しの繰り返しでもありません。

もっと具体的に、もっと繊細に、もっと心のこもった言葉にする必要があります。

傾聴・カウンセリングの具体的な応答事例を解説

相手の話を聞き、カウンセラーはどう感じたのか。

その話をどう理解できたのか。

それを相手に投げ返すわけです。

だから、相手の使った言葉を拾って繰り返すようでは、それが伝わりません。

「私はこう理解しました」「こう感じました」というのは、聞いた人間の言葉で伝えて、初めてリアルに伝わります。

つまり、クライエントの話をどう理解したかをカウンセラーの言葉に置き換えて伝えるわけです。

この説明では抽象的なので、以下、具体例を見てください。

応答技法の具体例1:あいづちばかりの対応

先ず、あいづちのような対応の例です。

クライエント「~○○で、腹が立ってしまったんです」

カウンセラー「そうですか」

クライエント「そうです。私にしてみたら腹が立ちますよ」

カウンセラー「そうなんですね」

クライエント「・・腹が立つと思いませんか?」

カウンセラー「そうですね。それは腹が立ちますね」

クライエント「そうですよね。本当に嫌になります。ウンザリしますね。」

カウンセラー「やっぱり嫌ですよね」

クライエント「嫌ですね。」

話が堂々巡りになっているのがわかりますよね。

応答技法の具体例2:オウム返しの対応例

続いて言葉の繰り返し、オウム返しの対応例です。

クライエント「~○○で、腹が立ってしまったんです」

カウンセラー「腹が立ってしまったんですね」

クライエント「ええ、その前にも同じような言われ方をしましたから」

カウンセラー「同じようなことを言われたんですね」

クライエント「いつもです。いつもというか、何度もこういうことがありました。」

カウンセラー「いつもというか、何度もあった」

クライエント「ありましたね。でも、相手はどうしてもそれがわからないみたいです。」

カウンセラー「相手はどうしてもわからないんですね」

クライエント「そうです・・・・・どうすれば良いですか?」

クライエントは行き詰ってしまい、間がもたずに質問を始めましたね。

応答技法の具体例3:言葉を置き換える対応例

では、カウンセラーが自分の言葉に(適切に)置き換えていく対応です。

クライエント「~○○で、腹が立ってしまったんです」

カウンセラー「つい、腹立たしくなった」

クライエント「そうですね・・なんでそんな言われ方を・・と・・」

カウンセラー「もっと言い方を考えて欲しかった」

クライエント「そうです。私の言うことに聞く耳をもたないところがあって」

カウンセラー「やっぱり・・自分の言うことを、もっと聞いてほしいと・・」

クライエント「・・思いますね。聞いてほしいという思いはあります。
向こうは向こうで、そう思ってるかもしれないですけど、一方的にものを言われてしまうし、
こちらもなんか、意地になってしまうところもあって・・・」

カウンセラー「もしかしたら、お互いに”頑な”なところが・・」

クライエント「・・う~ん、それはあるかもしれません。いろいろ積み重なってきてるし・・」

カウンセラー「今に始まったことではないと・・・」

クライエント「ええ・・・入社してしばらくは違ったんです。でも、一年くらい経ってから変わってきました」

カウンセラー「入社一年を境に・・」

クライエント「そうですね。私が仕事で<以下省略>」

どうでしょう。

「オウム返し」は一つもありません。

むしろ、カウンセラーが自分の言葉に置き換えて伝え返しています。

そうすることで、カウンセラーがどう感じ、どう理解したのか。

それがリアルに伝わります。

そして、それだけではなく、クライエントの「内面洞察」も進みます。

ところが、皆さん、これがなかなか出来ないと言います。

こんな言葉が、なかなか出てきません・・というのです。

では、どうしてこうした具体的な言葉にできないのでしょう。

なぜ、カウンセラーは自分の言葉に「適切に」置き換えることが難しいのでしょう。

現場で通用する傾聴・共感的理解のコツ

答えは「的確な理解」が出来ていないからなんですね。

しっかりと自分なりの理解が出来なければ、そもそも、自分の言葉に置き換えようがありません。

では、しっかりと「的確に」理解する「コツ」みたいなものはあるのでしょうか?

実はあるんです。

しっかりと理解し、しっかりとした言葉で応じる。

そのための「コツ」はあります。

それは、相手の話を次の観点で聞けばいいのです。

「相手が一番言いたかったことは何か?」

常にこの観点に立って話を聞いてください。

相手はこの話を通して、こちらに何を伝えたいのだろう。

この言い方、この言葉、この表現を選んだのはなぜだろう。

今、この話をしていることには、どんな意味があるのだろう。

こうした観点から相手の話を聞き、理解に努めます。

上記の会話例を、もう一度、この観点から見直してみてください。

カウンセラーがクライエントの言いたかったこと、伝えたかったことを理解し、その理解を自分の言葉に置き換えて伝えているのがわかるはずです。

そういう観点に立てば、言葉は出てきますし、例示した会話も、何も難しいやり取りではないことがわかります。

ただ・・・・・

傾聴力とは集中力

皆さん、話を聞いているうちに、この観点が飛んでしまうんです。

「一番言いたいことは・・」と思って聞いていたとしても、途中から、話の流れや一つひとつの内容・言葉に注意を持っていかれてしまうんです。

だから耳に辛うじて残っている「相手の言葉」を繰り返すしかなくなるんです。

しっかりとした自分の理解をもとに言葉を組み立てられない。

理解がないから、聞いた言葉を並べて返すしかなくなるんです。

もちろん、相手の言葉、その一つ一つは、しっかり正確にインプットする必要はあります。

そうでなくては、そもそも的確な理解が持てないからです。

ですが、理解を前提にして一つ一つの言葉を聞くのと、ただおうむ返しするために聞くのとでは、聞く姿勢が全然違います。

重要なので、もう一度繰り返します。

この話を通して「相手が一番言いたかったこと」は何か?

常にこの観点を失わずに話を最後まで聞いてみてください。

今までになかった「理解」が生まれるはずです。

そして、その理解によって、今まで浮かばなかった「応答」が自然に浮かんでくるはずです。

今までは言葉をどう返していいかわからなかったかもしれません。

でも、これからは、返す言葉が浮かんできます。

何度も意識してやっていけば、出てくる言葉も洗練されてきます。

それが、カウンセリングのスキルの習熟度を測るといえるでしょう。

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