傾聴ボランティア、心理カウンセリングのボランティアをやりたいという方がいらっしゃいますが、ハッキリ言ってボランティアの方が難しいのです。
お金を頂いてやるほうが成功率も高いのが現状ですが「ボランティアなら」とか「先ずはボランティアから」と言う人が多いので、注意が必要です。
ボランティアこそ難しいということについて書きました。
もくじ
寄り添うには寄り添えるための「力」が要る
心理カウンセリングに興味をもったり、勉強されている方。
また、ボランティアとして傾聴や心理援助に携わりたい方にお伝えしたいことがあります。
それは、心理援助は「人の力になりたい」という思いだけでは出来ないということです。
どんなにその思いがあっても、実際に力になれるだけの準備と実力が必要になります。
私は以前から「寄り添う」ということについても、こうお伝えしてきました。
寄り添うためには「寄り添いたい」という思いだけでは寄り添えない。
誰かに寄り添うためには、寄り添えるだけの「力」が必要になる。
我が子を想う親が、我が子に寄り添うことができない。
それは「思い」や「愛情」だけではどうにも解決できない問題が発生しているからです。
そこには寄り添えるだけの力が必要になります。
震災のボランティアを被災者はどう見ていたか
先日、こうしたテーマに通じるなと思う、こんなSNSの投稿がありました。
宮城県在住の私の友人で、震災で被災して、その後、ゼロから飲食業を立ち上げた男性です。
その方の「ボランティア」に関する投稿で、今回の台風19号での被災地域を思いながら、こう書いています。
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「被災地に行こうと思ってる」周りからそんな声を聞くことが多い。その人達の共通点は事前の準備の必要性を感じてない点。
行けば何かしら役に立つはずと思っている節がある。
実際ボランティアを受け入れた身として。
・身体だけやって来る。
・気持ちだけ持ってやって来る。
そして
「車をどこに置いたらいいですか?」
「支援物資はどこに持っていけばいいですか?」
「とりあえず来ました。何をやったら良いですか?」
「このゴミどこに捨てたら良いですか?」
「スコップはありませんか?」
「軍手はありませんか?」
「どこか食事できる場所はありますか?」いちいち指示待ちのボランティアが増えるほど指示する人が必要になり、指示する人が足りないとボランティアは烏合の衆になる。
震災の時にこんな光景を見たことがある。
1人がスコップを持って泥を土嚢袋に詰める。
それを5人の学生ボランティアが立って見てる。
土嚢袋に詰め終わると1人がそれを運び、他の学生は引き続き立って見てる。話しかけたら、
「これしかスコップが無いんだそうです。もう少し準備して貰えればいいんですが・・・」
アホな事言うボランティアだなと思った。
被災して津波でホームセンターもなにもかも機能してない地域に手ぶらで来るほうが間違ってないかい?
スコップを用意して欲しい?
自分らで予測して持って来ては?
怒る気にもならなかった記憶がある。
役に立ちたいという気持ちと力を貸して欲しいという願い。
お互い合致してるのに上手く噛み合わない現場。
ボランティアは全てを自分で調達して指示がなくても的確に動ける人が中心となってチームを作って現場に乗り込むべきです。
これが出来ない個人が身体だけ気持ちだけで乗り込むのはハードルが高いのでよくよく考えて臨むべきかと思いますね。
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なぜ傾聴・心理カウンセリングはボランティアの方が難しいのか
心理的援助の現場でも、全く同じ場面をよく見ます。
心理的援助に対する認識が甘かったり、勘違いしていたり・・・・・
傾聴ボランティアといいますが、そもそも、ボランティアの方が難しいんです。
ボランティアに助けを求めてくる人は、無料で援助を受けられるから来る人たち。
そういう方々は、概して困難な状況や重い精神病を患っている方が多い。
だから、ボランティアといっても対応するには相当の力が必要になります。
そんな事も考えずに「先ずはボランティアから」と言っている人を見ると、このSNS投稿をされた方と私は同じ気持ちになるのです。
少し厳しい書き方になっているかもしれません。
でも、これは「相手がいる」ことです。
こちらの準備不足は、援助を受ける方々に迷惑がかかるのです。
だから、現場で活動することが前提で学ぶ方は、それ相応の「覚悟」をもって学んでください。
それ相応の必要な力をつけてください。
どういう覚悟をもって、どんな力をどうつけたら良いのかについては、責任をもってセミナーやレッスン等でお伝えしています。
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