傾聴でカウンセリングを深める秘訣がある

傾聴によってカウンセリングを行う場合、その進行、洞察などを深めることが必要になりますが、重要な点、秘訣といえることがありますので、解説いたします。

どうすればカウンセリングは深まるのか?

どうすればカウンセリングは深まるのか?

カウンセラー向けのトレーニングや講座でよく訊かれるのが「どうしたらカウンセリングは深まりますか?」という質問です。

実際、どうすれば深まるのかを教わる機会はないそうです。

オウム返しや機械的な相づち、脈絡のないアドバイスや唐突な質問。

よくあるこうした対応では、カウンセリングは深まっていきません。

これらの対応で行き詰まっているから、先述のような質問が出てくるのでしょう。

深まっていかないとクライエントの洞察が生まれません。

問題は何か?なぜ行き詰ってしまったのか?問題の全体像は?解決手段は何か?その解決手段をどうしたらクライエントが実行できるのか?

こうしたことを一つ一つ自然な対話の流れで追える、共有できていくことが大事です。

しかし、日本で教えられている傾聴やカウンセリングの方法論では、こうしたことは永遠にできません。

カウンセリングを深める3つのポイント

カウンセリングの面接が深まっていく対応には、いくつかの留意点があります。

その中で、巷ではなかなか教わる機会がないにもかかわらず、面接を深める上でものすごく重要なことです。

今日はその中から3つをご紹介します。

「面接が深まらない」「いつも同じ話がループする」「愚痴や不満が延々と続いてしまう」という人は、参考にしてみてください。

1)抽象から具体へ

クライエントの話の流れとして、抽象的な話から具体的な話になっていくような応答を心がけます。

抽象的な話や表現に終始すると、クライエントが経験したことや内面の整理が進みません。

また、精神疾患のある人や諸々整理のつかない状態の人は、概して話や表現が抽象的になりがちです。

ですから、こちらの応答によって話や表現が自然と具体的になっていくような流れをつくります。

また、具体的な話や表現がみられたら、整理につながるだけでなく状況把握の面でも、カウンセラーはそこにフォーカスした応答で応じます。

例)
・抽象「Bさんと私はウマが合わない、水と油なんです。」
・具体「Bさんの気にするなという言葉は、言いたいことはわかるけど、今は受け容れられません」

2)外から内へ

クライエントの話の内容や表現がクライエントの外側、つまり話題や出来事、クライエント以外の人間に関する場合。

その話や表現がクライエントの内側、つまりクライエント自身の考え、思い、感じていることなどに及ぶような流れ。

そういう流れにつながるような応答を投げ返すようにします。

なぜなら、そうした流れがクライエントの自己洞察につながるからです。

例)
・外「Bさんは言うことは正しいけど、人の気持ちがわからないところがあります」
・内「Bさんに強く反応するのは、本当はもっと自分のことを理解してほしいという思いがあるからです」

3)考えから実感へ

クライエントの話が自分の考えていること、思っていることから、クライエント自身の実感(経験的実感)につながっていくように応じます。

私の師であった吉田は「クライエントの経験の世界に焦点を当てよ」と教えていました。

実感とは実際に感じていることや感覚であり、生々しい感覚を伴ったものです。

つまり、クライエントの中で一番確かな感覚ですね。

こういう経験的実感を中心に話が進むと、クライエントはそこから物事や自分が経験した事象に対し、現実的で確かな捉え方を獲得していきます。

例)
・考え「父は私を威圧していたので、父とBさんを重ねているのではないかと思います」
・実感「父に対しては今も”怖い”という感覚があり、Bさんにも同じ感覚を持つことがあります」

誤解されたロジャーズの「感情の反射」と重要性

ロジャーズはよく「クライエントの感情を反射せよ」と記述していました。

多くの学習機関や臨床家がこれを「感情表現を拾って繰り返す」と誤解してしまいました。

「クライエントの話の中に感情を表す言葉があったら、すかさず繰り返せ」と教えてしまったのも、こうした誤解からでしょう。

ロジャーズの言わんとしたことはそうではなく、確かな感覚(経験的実感)につながる感情は見逃すなということでしょう。

心が病んでいくに従って、人間は経験的実感を感じられなくなっていきます。

逆にいうと、経験的実感をリアルタイムで認識(意識化)できればでけるほど、心が健康だといえます。

カウンセリングというのは、そうしたクライエントの健康的な感覚をより鮮明に、より機能的にしていくものです。

そのためには、カウンセリングはこうした感覚が蘇る流れにしていくことが大切です。

カウンセリングが深まることが必要なのは、この感覚へつながる流れであるからです。

傾聴によるカウンセリングの深め方のカギ

傾聴や共感的理解、つまりカウンセリングの力を向上させるカギは「言葉」です。

言葉をどう聞くか、どう理解するか、どう選ぶかですね。

これはそれぞれ、どう聞くか=傾聴、どう理解するか=共感的理解、どう選ぶか=応答に相当するものです。

私たちは相手に何かを伝えるとき、言葉を用います。

話をするときには、様々な言葉や表現の中から最も最適なものを選んで話をしています。

最適というのは、自分が伝えたいことが正確に伝わるかという意味での最適さです。

そして言葉の選択においても意識的、意図的に行ってる場合もあれば、無意識に、無自覚に選んでいる場合もあるでしょう。

どちらにしてもクライエントが話していく中で出てきた言葉や表現は「選ばれて出てきたもの」だといえます。

意識的にせよ無意識的にせよ、その言葉がなぜ選ばれたのかを理解できれば、クライエントの内面理解に通じるはずです。

なぜその言葉や表現が選ばれたのか?

どうしてその言葉や表現でなければならなかったのか?

その理由やプロセスが理解できればクライエントの精神状態やパーソナリティー、そして伝えようとしていることの本質までがわかるはずです。

そしてそれは言葉や表現だけにとどまりません。

クライエントの話の中で生じる間や沈黙。

声の抑揚や語りの調子の変化。

どれ一つとってもクライエントを理解する上では重要な手がかりとなり得るのです。

私がクライエントの話を一言半句正確に聞くという言い方をするのは、こうした要素ひとつひとつを漏らさずしっかりとインプットし、まとまった理解としたいためです。

クライエントが口にした言葉・表現は一言たりとも無駄にしない聞き方

繰り返しますが、話し手が選ぶ言葉や表現にはその言葉や表現が選ばれた理由が必ずあります。

その理由やプロセスが理解できれば、傾聴や共感的理解、そして応答のそれぞれの精度が上がっていくことになるのです。

例えば「不安です」と言わないで、クライエントはなぜ「何か心もとない感じがします」と言う表現を選んだのか?

それは「不安です」と言うよりも、「何か心もとない感じがします」と言った方がクライエントの伝えたいことや感覚にぴったりとくるからです。

ではなぜ後者の方がクライエントの感覚にぴったりとくる表現となりえたのでしょうか?

こういうことをクライエントの話を聞きながら一瞬にして理解し、応答に反映させていく。

カウンセリングの面接でやっている事はそういうことなのです。

師匠の教え「クライエントの言動を絶対視せよ」の意味

私の師匠の吉田哲は「クライエントの言動を絶対視せよ」と教えていました。

もちろんこれは「クライエントの言うことを何でもきけ」などという意味ではないことは、おわかりと思います。

この「言動を絶対視する」ということこそ、一言半句を厳密に検討することにつながります。

なぜその言葉や表現となったのか?

その言葉や表現が出てくる理由が必ずある。

こういう観点でクライエントの話を一言半句正確に聞き続ける(傾聴する)ことで、そこから見えてくることがあるんです。

というか、そこからしか見えてこないといってもいいでしょう。

カウンセラーはクライエントの話を聞き、その話を理解し応答をする際には、常にこうした神経を働かせていくことがとても重要になります。

この反射神経を磨く方法は、やはり録音や逐語の記録を徹底的に検討する方法以外には無いのです。

私たちカウンセラーは常に言葉と向き合っていく仕事だと言ってもいいかもしれません。

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