傾聴力があると、共感能力も磨かれ、応答能力も高まるため、カウンセリングを成功へと導きます。
加えて傾聴力があると、人と接する時間が楽しい、味わい深いものになるので、人間関係を豊かなものにしてくれます。
なぜなら、カウンセリングも実は人間関係の一つであるからです。
ここをきちんと理解せず、日常の人間関係とカウンセリングが別物だと勘違いしていると、少なくともカウンセリングは失敗します。
傾聴力がカウンセリングや人間関係をどう導くのか。
以下にわかりやすく解説しました。
もくじ
カウンセリングの成否につながる需要のこと
カウンセリングの成否を分ける要因として、今日はとても重要なことについて解説します。
何かというと、それはカウンセラーの「姿勢」です。
結論からいうと、カウンセラーが目の前のクライエントをどう捉えているか?
クライエントに対してどういう感情が起こっているのか?
ここがとても重要だというこです。
もちろん、カウンセリングの成否を左右するには、他にも重要な要素があります。
先ず、直接的に影響を及ぼすものとしては、やはり「応答」でしょう。
カウンセラーが発する言葉、それがたった一言であっても、時にはセッションの流れを左右し、成否を分けることも。
カウンセラーの応答が適切であればあるほど、それだけカウンセリングの成果があがりやすいともいえます。
また、クライエントが訴えている問題に対しての的確な理解、適切な事例検討、しっかりとした傾聴など。
カウンセリングの成否を分ける要素はいくつもあります。
その中でも本質的ともいえる重要なことがカウンセラーの姿勢です。
クライエントに対する否定的な感情
カウンセラーはクライエントと対話を重ねながら、カウンセリングを継続します。
そのプロセスにおいて、カウンセラーの中には様々な感情が起こります。
断言できるのは、その感情がクライエントに対して否定的な場合、カウンセリングは失敗してしまうということです。
ここでいう否定的な感情というのは、あくまでも「クライエントに対して」のものです。
クライエントの否定的な感情に対し「同じような否定的な感情」が生起した場合は、また話が違います。
クライエントが深い悲しみを語り、その話を聞いたとき、カウンセラーの心の中にも同様の悲しみが起きる。
「それは悲しかったことだなあ・・」という捉え方が自然と、静かに湧き上がってくる。
こういう否定的な感情は、そこに俯瞰した視点を失わない限り、共感的理解であるといえます。
そうではなくて、クライエント自身に対して否定的な感情が起きたとき、カウンセリングは失敗するのだということです。
クライエントの言っていることやパーソナリティーに対して否定的になる。
「そんなことを言っているからダメなんだ」とか、「その考え方が間違っていることを気づかせなきゃ」とか、そういった捉え方から生まれる感情。
クライエント自身に対する不快感、不満、苛立ち、嫌悪感などですね。
こうした感情が起きたとしたら、クライエントの話を正確に聞くことすらままならなくなります。
まして共感的理解などできるはずもありません。
共感と否定はある意味、全く逆のものだからです。
アドバイスそのものがクライエントの否定になる?
カウンセリングでアドバイスが上手く機能しないのも、ここに理由があります。
なぜなら、そもそもアドバイスというのは「否定」だからです。
クライエントのありのままではダメだから、別なものを提示する。
これがアドバイスであり、つまりは「否定」になるのです。
クライエントに対して、否定的な感情がいかに起きないように対応できるか?
これがカウンセリングではとても重要になるのです。
そして、この重要なことは、実はとても難しいことなのです。
否定的な感情はカウンセリングを失敗させる
というのも、日頃の私たちの中には、肯定的な感情と否定的な感情が交互に織りなされているようなものだからです。
普段の生活で経験すること、例えば仕事や人間関係、家庭など、そこで経験することに対して様々な感情が起こります。
当然、肯定的に捉えられる場面と否定的にしか捉えられない場面とがありますよね。
私は日常生活はそうした両方の感情を起こすことにも意味があると思います。
もちろん、否定的な感情が起こる場面や時間があまりにも多いのなら、それはそれで自分自身や日々の暮らし、働き方などの検討が必要です。
ですが、通常は否定的な感情が起こることはあるわけです。
しかし、カウンセリングではこの「否定的な感情」が起こると、必ず失敗します。
ですから、カウンセリングでクライエントに対して常にニュートラルな捉え方をし、
肯定的な感情状態を維持できることが極めて重要なのです。
では、否定的な感情を起こさない秘訣はあるのでしょうか?
カウンセリング成功の秘訣
実は「あります」なのです。
それは「クライエントに対して強い興味・関心を向け続けること」です。
そうしてクライエントの話を「興味深々で」聞き続けることです。
そういう集中力をいかに維持できるかということです。
私たちは興味津々の対象に注意が向いている時、その感情は否定的にはなりません。
興味深々ですから、話をもっと聞きたいというモチベーションが自然と継続されます。
「それでどうされたのですか?」「それからどうなったのでしょうか?」
こういう気持ちで話を「聞きたくなる」はずですし、それだけ更に集中力も増します。
カウンセリングの成果を上げるためには、クライエントに対して、この興味津々という姿勢から生まれる肯定的な感情がカギを握ります。
カウンセリングの成否を分ける姿勢は、クライエントに対していかに否定的な感情を起こさないかということ。
その秘訣は、クライエントに対して常に興味深々でいることなのです。
傾聴力、聞く力は人間関係を楽しくする
私の個別レッスン受講者の中には、過去にカウンセリングを受けて嫌な思いをしたという経験談を打ち明けてくださる方もいます。
カウンセラーの価値観を押しつけられたり、説教を受けたり、質問攻めにあったりして、こちらが話したいことも話せず、悔しい思いをしたとか・・・
そうした方は、レッスンの受講が進んでいくうちに、本当はどういうカウンセリングが自分に力をくれるものだったかに気づきます。
カウンセラーが何故、こちらの話を聞いてくれなかったのか?
それは「聞く力」をもっていなかったからです。
聞く力がないから、聞くことができなくなり、余計なことを話始めてしまうのです。
クライエントの話をどう聞けば良いのか?
しっかりと聞くためのポイントとは何か?
聞く力を磨くためには、どんなトレーニングをどの位続ければ良いのか?
こういうことをしっかりと理解し、実践していくだけで、自ずとしっかりと聞く力はついていくものです。
そしてこの「しっかりと聞く力」が身につくというこは、日常の会話にも大きな効果をもたらします。
コミュニケーション能力が向上するので、人間関係が楽しくなるのです。
傾聴力は絆を生む
人との繋がりや絆というのは、コミュニケーションがしっかりできないと実感できないものです。
ただ「繋がりたい」「絆を感じたい」と思っても、それを実現するコミュニケーションが出来ないと実感しないのです。
そう、ここが難しいところであり、悩んでいる人が多い原因です。
でも、ここがわかってしまうと、話は早いんです。
聞く力(傾聴力)を身につけていくと、この問題が解消されます。
つまり、聞く力のレベルアップとコミュニケーション能力のレベルアップとは同時に成立します。
だから、聞く力を持つことが人間関係の繋がり、絆、そして喜びを実感できる上で強力な味方になってくれるのです。
ですから、聞く力(傾聴力)を磨くということは、カウンセリングができるようになるという狭い意味だけでなく、人間関係や仕事、社会生活を充実させるという広い意味でも重要なのです。
聞く力、傾聴力はコミュニケーションスキルそのもの
逆にいうと、本当に聞く力、傾聴力があれば、コミュニケーションで悩むことは無いはずです。
人間関係はコミュニケーション以外の問題も多くありますから、聞く力だけでは解決できない悩みも出てきます。
しかし、少なくとも聞く力さえあれば、コミュニケーションの奥深さ、豊かさ、暖かさを実感できるのです。
傾聴というのは何もカウンセリングや援助職、相談業務、医療や福祉、教育の現場だけで必要なものではありません。
人と接する全ての場面で必要であり、効果的であり、人間関係を豊かなものにするカギを握っているのです。
【動画】傾聴力を高める最も重要なあれ
最後に傾聴力を高める上で重要なことも下記の短い動画で解説します。
「わかりやすい」「納得できる」と好評ですので、ご覧ください。
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