傾聴、つまり正確に聞けるということは、カウンセリングの大原則。
共感的理解もケースのアセスメントも、クライエントの話、訴えを正確に聞くことなくして出来ません。
そして正確に聞くためには傾聴の反射神経を磨く必要があるのです。
今回は傾聴(正確に聞くこと)の意義と、その反射神経の磨き方についてです。
もくじ
聞くこと(傾聴)さえできれば何とかなる?
「聞くことさえ出来れば、何とかなる」
生前に私の師匠が言っていた言葉です。
これは傾聴の能力がしっかり備わっていれば、様々な分野に応用が利くという意味です。
傾聴というのは、実は「観察手段の一つだ」ということは、意外と知られていません。
傾聴というのは、ただ話を一生懸命に聞くことではありません。
話を聞くという行為を通して、相手を丁寧に観察する手段でもあります。
相手の話から、相手の人間性、状況、様子などを観察し、本質的な理解につなげる行為です。
傾聴とはそうした全体的な観察手段であり、緻密で深い洞察が必要になるスキルでもあります。
人間や物事を全体的に捉え、細部にわたって見極めるためのものです。
ですから、この傾聴の能力を有すると様々な事が可能になります。
私の場合を例にとってみます。
傾聴能力は様々な応用を可能にする
私はそもそも心理カウンセラーとして一対一の心理面接を始めました。
基本的には、こうした面接から得られたものはかなり貴重な声だったり、社会の様々な問題解決のヒントだったりします。
心理学の教科書には記述のない人間関係の機微だったり、世の中の法則を知ることになります。
そのため、ここから派生していろいろ専門領域が広がっていきます。
仕事の悩みや職場の人間関係のカウンセリングを続けてきたので、
マネジメントや働き方改革のテーマでの企業研修が出来ます。
社内や顧客とのコミュニケーションの問題、メンタルヘルスやモチベーションの問題。
だからアンガーマネジメントやレジリエンス、ハラスメント、クレーム対応といったテーマにも対応出来ます。
心理学ということでいえば、臨床心理はもちろんのこと、脳科学や認知心理学、ポジティブ心理学など。
つまり、傾聴というスキルによって、その専門性を広げることが可能です。
さらには、数多くの人生の困り事や社会的問題の相談に乗っていくことで、問題の本質を見抜く眼と、解決のための手立て&手順を組めるようになります。
これは、カウンセリングだけでなくコーチングやコンサルティングのスキルにもつながります。
傾聴を本当の意味でマスターすると、このように対応出来る分野が広がります。
私の場合スクールカウンセラーも経験しているので、不登校やいじめ、学級崩壊などの教育現場の問題解決にも対応します。
また、子育てや家族の問題にも。
最近では介護や看護の分野でも講演や研修を行っています。
傾聴をうわべの、形だけの学習で終わらせず、その本質を理解してマスター出来れば、本当に幅広い分野の問題解決が出来るかようになります。
傾聴トレーニング、その内容とは
先日の日曜日は「3Days 傾聴レッスン」の2日目でした。
今回はロールプレイを3組実施出来ました。
それぞれにじっくりと時間を取って検討できたので、傾聴、応答に加えて、事例検討の仕方も共有しました。
私は時折、ロールプレイや逐語の検討、そして事例検討の際にホワイトボードを使用します。
そして、クライエントの話の内容の整理や応答の組み立てプロセス、また、事例の全体的な整理を行います。
ボードに図にしたり、箇条書きにしたりして、目に見えない心の世界や事象を視覚化していくわけです。
傾聴レッスンや逐語検討、事例検討での解析を行う際には、私は目に見えない諸々の要素を出来るだけわかりやすく言語化します。
心の中で(厳密にいうと脳内で)行われる作業、感情の動き、反射神経の使い方などを、言葉で説明します。
そして、言葉よりも文字や図にした方がわかりやすいと判断した場合は、その場でボードを使用します。
傾聴の反射神経の磨き方
今回の傾聴レッスンでも、そのような場面が何度かありました。
ロールプレイでも応答訓練でも多くの人が一様に苦労するのが「応答を簡潔に出来ない」というところです。
逆にいうと、皆、応答が長くなってしまうのです。
応答というのは原則、出来るだけ短くするものです。
短くすれば良いというものでもないですが、無駄や不要なものは削り、必要最小限で構成します。
なぜなら、応答が長いと、聞くのが大変だからです。
クライエントにしてみれば、自分が話し終わった後、カウンセラーの応答を聞くわけです。
話すということにかなりエネルギーを消耗した直後ですから、聞くために割けるエネルギーの余力は少ないはずです。
そこにカウンセラーの長い応答がきたら、しっかりとインプットするのに、場合によってはひと苦労します。
ですから、カウンセラーの応答は必要最小限に、出来るだけ短くするのが原則です。
その方がクライエントにすんなりと入りやすいからですね。
ところが、実際に受講者の応答は、長くなってしまう。
つまり無駄なもの、不要なものが多いのです。
そこで、一旦発したり作成した応答をさらにスリム化する作業をしてもらいます。
その時に「これがムダ」「これは削れる」という風に添削作業を行うと、最後には見事に洗練された応答が完成します。
この作業を受講者と共に行い、応答作成時の反射神経の使い方をわかってもらうのがねらいです。
その際にはもちろん、なぜその人の応答が長くなってしまうのか?
どこが削れる部分なのか?
他にはどんな言葉や表現、センテンスが選択可能かということまで検討します。
こうして具体的に進めていくからこそ、それぞれの受講者の応答の精度が上がっていくわけです。
もちろん応答作成には、クライエントの話をどう聞くべきで、そこからどういう理解が的確かという検討も行います。
なぜなら、そもそも正確に聞けて的確な理解が無ければ、適切な応答など考えられないからでです。
傾聴、共感、そして応答は、それぞれ連続的な要素であり、単独に成り立つものではないのです。
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