カウンセリング、不登校・学級崩壊・夫婦問題の相談事例

今回はカウンセリングの事例紹介です。

具体的な場面や、やり取りを通して、カウンセリングとは何か、問題をどう捉え、どう対応すれば良いのかといった具体的な対応を探ります。

傾聴やカウンセリングで一番必要なのは、「いざ」という時の反射神経です。

それを学ぶには、やはり具体的にどうすれば良いのかを一つひとつ学んでいくしかないのです。

不登校の事例に必要なコンサルティング能力と専門性とは

カウンセラーには傾聴や共感のスキルの他に、ケースによってはコンサルティングやコーディネート力が必要になります。

例えば典型的なケースが学校の問題ですね。

不登校、いじめ、学級崩壊などは、来談しているクライエントだけでなく、関係する様々な人たちを視野に入れたコンサルティングも必要です。

また、援助する側の様々な関係機関との連携力も問われます。

不登校の場合、再登校に向けての対応はかなりの専門性が必要です。

不登校児がその時々でどんな精神状態にあるのか?

それを見極めることは必須です。

不登校の場合、本児が来談するケースは少なく、保護者などが相談に訪れることが多くなります。

つまり、保護者からの少ない情報を通して、本児の精神状態、置かれた状況、起きている問題を把握します。

そしてそうした情報をつなぎ合わせながら、どのような再登校の支援が可能かを毎回考えます。

また、仮に的確な指示を伝えたとしても、その指示通りに保護者が適切に対応できるとは限りません。

その場合、何をどのタイミングでどのように保護者に伝えるのか?

こうしたことを適宜算段できなければなりません。

さらに、学校側の動きや思惑、保護者の葛藤、関係者のそれぞれの思い。

こうした状況把握が常に的確に出来ている必要があります。

そしていつ、どんな登校刺激をどのように提供するのかも大事です。

登校刺激とは、再登校につながる働きかけのことです。

当然、こうした刺激が逆効果のタイミングや状態があるので、的確な判断が必須になることはいうまでもありません。

この登校刺激は、再登校する際には必ず必要になります。

その判断も極めて重要で、適切に施すにはやはり相当の経験値と専門性に裏付けされたスキルを要します。

学級崩壊のスクールカウンセリング事例

また、スクールカウンセラーのように学校に直接足を運べる場合は、学校や教室に対して直接的にも間接的にも働きかけができます。

以前スクールカウンセラー(以下 SC)をしていた頃の話です。

とある学級崩壊したクラスの立て直しに取り組みました。

その時、求められた力の一つが「コーディネート力」です。

どういうことなのか?実例をもとに説明します。

崩壊したクラスには、保護者が頻繁に、しかも入れ替わり立ち代わり教室に足を運びました。

それは親御さんたちが心配だからというのもありますが、学校の管理職が「見に来てください」と言ったからです。

しかし、管理職の本音は「親ももっと苦労してくれ」であることが透けて見えました。

ですが、保護者が教室にいくら足を運んでも、いじめや学級崩壊は解決しないものです。

解決の主導権はあくまでも学校側であり、学校がしっかり取り組めているという前提で初めて保護者の協力が功を奏します。

そんな流れの中、ある保護者Aさんが、担任宛ての連絡帳に、クラス運営の不満をしたためてきました。

担任から相談を受けた私は、返信の書き方を一字一句伝えて、担任の先生に、こう伝えました。

「先ず、もしよろしければご心配なことやお知りになりたいことなど
お話するお時間(面談)をお取りしますと伝えてください。
おそらくAさんは応じると思います。
そして、面談したら現在までの取り組みと今後の取り組みについて、
私と先生で話してきたことを全部オープンに伝えてください」

「続いて、Aさんから何か質問があった場合、明確に答えられるものは答え、
それ以外の質問については預かって、改めて連絡帳にて必ず回答すると伝えて下さい。
回答の仕方は私と一緒に考えましょう。」

「Aさんは6人ぐらいの保護者グループの中心的な人でしたよね。
面談でこちらが伝えたことは、Aさんからそのグループに必ずシェアされます。
そしてシェアされたことはさらに拡散されるでしょう。
その際に、SCの鈴木がフォローしているということも、それとなく伝えてください。
そのことが拡散されることで、学校側が崩壊立て直しに向けて本気で動いているということが伝わります。
そうした情報伝達によって保護者の動揺を静めることも、我々の仕事の一つです。」

担任の先生はその後も私の言う通りにしてくださったので、最終的には学級崩壊はおさまりました。

私がいじめや学級崩壊の問題解決には「手立て」と「手順組み」が必要だと言っているのも、こういうことです。

そしてこのような「コーディネート力」も、教育現場では必須です。

こうした手立てと手順をいくつも組み合わせ、タイミングをみて一つ一つ施策として実行していく。

そうしないといじめや学級崩壊を解決することは難しいでしょう。

このように、カウンセラーはケースによっては、こうしたコンサルティング能力や様々な関係者をコーディネートできるスキルが必要になります。

そして、そのためにも傾聴の精度を上げる必要があるということは、お分かり頂けると思います。

1対2のカウンセリングのポイント

カウンセリングは基本的に1対1です。

しかし、たまに1対2になる場合があります。

それは親子の場合や、ご夫婦の場合です。

今日はそうした1対2のカウンセリング。

そのポイントについてお伝えします。

1対2というのは、1対1より、実は難しいのです。

夫婦にせよ、親子にせよです。

二人のクライエントの関係がこじれている。

そういう場合ほど、難しいカウンセリングになります。

なぜなら、カウンセラーに安定感が無いと、二人の間に板挟みみたいな感じになるからです。

ですから、先ず重要なのは、カウンセラーの安定感。

二人の関係性の悪さに引きずられない安定感が必要になります。

目の前でケンカを始めた夫婦、そんな時は・・・

以前、カウンセリングの最中に、私の目の前で夫婦げんかになった時がありました。

私はその時、黙ってその様子を見ていました。

ヒートアップしているので、二人は私が居ようとお構いなしです。

しかし、そのやり取り一つ一つに、その夫婦のあり様が出ます。

私は落ち着いてそのケンカを観てから、互いの言い分を言語化しました。

つまり、夫の言い分を妻に、妻の言い分を夫に、それぞれ「翻訳」したわけです。

この時、目の前でケンカが起きても、安定して座っていられることは言うまでもありません。

妻の気持ちがどうしても理解できない夫の事例

そして、もう一つ必要なこと。

それは「翻訳力」です。

別のご夫婦で、こんなケースがありました。

結婚して数年の20代後半のお若い二人。

奥さんは別れたい。

しかし、ご主人はやり直したい。

別に浮気とか、そういう問題は一切ありません。

ただ、奥さんはご主人が自分の気持ちを察してくれない。

そのことへの寂しさが積もり積もって鬱積し、ご主人への愛情が無くなってしまったというのです。

例えば、二人で犬の散歩をしているとします。

ご主人が犬を連れて散歩。

奥さんは心の中で二人で並んで歩きたい。

ところが、犬のペースに合わせて、ご主人はドンドン先を歩いてしまう。

そこで、奥さんは「並んで歩いて」と言います。

それでご主人は並んで歩くようにします。

奥さんは、それで傷つくというのです。

ここだけ読むと「?」の方もいるかもしれません。

ご主人は「言った通りにしたのに」と言います。

しかし、奥さんは、それが傷つくわけです。

確かに言ったら並んで歩いてくれた。

でも、それは言われたからなの?

私と並んで歩きたいという気持ちはないの?

どうして察してくれないの?

これは言葉にされませんでしたが、奥さんの心の内を、私はそう察しました。

ここまで互いのすれ違いがいくつもあっての出来事だったのでしょう。

私はご主人に、奥さんは察して欲しかったのではないか?

自分と並んで歩きたいという気持ちを感じたかったのではないか?

そうご主人に伝えたのです。

ご主人は私がそう伝えると、黙って考え込んでいました。

難しくてピンと来ない・・・という顔をしていました。

その横で、私の代弁を聞いていた奥さんは、言葉もなく、ポロポロと涙を流したのです。

ご主人は誠実そうで、優しそうな方でした。

ですから、ご主人の性格が悪くて・・という話ではありません。

しかし、小さなすれ違いが積み重なった結果、奥さんの心は、どうにもご主人から離れてしまったようです。

ご主人はもう一度やり直したいと思っているようでしたが、私は難しいな・・・と感じました。

人の気持ちは理屈や理性ではどうにもならないことがあるからです。

カウンセリングに必要な安定感と翻訳力

1対2のカウンセリングで大切なこと。

それは安定感と翻訳力です。

このケースでいえば、奥さんがご主人に伝えたかったこと、察してほしかった胸の内を、代わりに伝えてあげることです。

もちろん、ご主人の想いも翻訳し、奥さんには伝えました。

こうして二人だけでは成り立たないコミュニケーションを、代わりに成立させていく。

そうすることで、二人がより向き合えるようにお膳立てをします。

そこから先は、カウンセラーが踏み込めない領域もあります。

二人の問題として、二人で向き合っていくしかありません。

ここを土足で踏み込んで「やり直した方がいい」とか、「離婚すべきだ」などと、軽々しく言うべきではないと思います。

カウンセラーがそう動くと、そこに「依存」が生まれます。

どちらの結論になるにせよ、決断するのは当事者たちです。

当事者が自ら決断できるようにする。

カウンセリングはそのためのプロセスに過ぎません。

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