ネガティブな話、愚痴、悩みを聞き続けるにはコツがあります。
それは専門性だったり経験値からくるスキルですが、小手先の技術では決してありません。
要は、いかに心を込めて聞けるかにかかっています。
そのために何をどうすれば良いのかを以下にわかりやすく解説します。
もくじ
愚痴、悩み、ネガティブな話を聞く秘訣
「否定的な話をどこまでも聞ける」
これはカウンセラーとして求められる基本姿勢の一つです。
しかし、これは一般の人たちには、なかなか難しいことです。
誰かの批判であったり、自分への嫌悪感であったり、不満や怒りであったり、そうした否定的な話をずっと聞く。
聞いていくうちに、こちらにはこんな思いや感情が浮かんでくる。
「そんなことばかり言っているからダメなんだ」
「もっとポジティブな思考にならないからだ」
「ああ・・そこが問題なんだ」
大抵はそういう思いや感情が浮かんできますし、その時点で相手の話を肯定的には聞けなくなります。
そしてもうそれ以上その話を聞きたくないという感情になり、やがて「助言」「解釈」「激励」「説得」等をしたい衝動に駆られます。
ここまでくると、もう完全にその話、聞けなくなってますよね。
でも、カウンセラーとしてカウンセリングという場では、否定的な話をどこまでも聞き続けられることが求められる。
「助言」「解釈」「激励」「説得」などは一切せずに、とにかくひたすら「聞く」ということが求められます。
ではいったいそうすれば「どこまでも聞く」ということができるのか?
答えはこうです。
クライエントの話に「強い興味・関心」をもつことです。
そしてその時のクライエントの気持ちの「理解」に努めることです。
そうすると
「そんなことばかり言っているからダメなんだ」
「もっとポジティブな思考にならないからだ」
「ああ・・そこが問題なんだ」
というような”思い”を言いたいという衝動は起きなくなります。
クライエントの話に強い興味・関心を持てるようになると、「理解したい」という思いも強くなり、むしろこう思うようになります。
「クライエントはどうしてそういう思いになるのだろう」
「なぜここまで否定的にしか物事を観れなくなっているのだろう」
ポイントはクライエントの話の「内容」ばかり追いかけるのではなく、目の前にいるクライエントという「一人の人間として」の関心を寄せること。
クライエントの話の内容だけでなく、それを言いたくなる気持ち、その話をすることの意味、背景などにも関心を寄せる。
そうしたクライエントの全体を理解しようとすること。
理解できなくても「理解したい」という思いを強くもつ。
だから「どこまでも聞ける」ようになっていくわけです。
こうした姿勢をいつも崩さずに聞き続けられればやがてクライエントはこんな思いに包まれるはずです。
「今まで、この話をここまで聞いてくれる人はいなかった」
「自分の気持ちをこれだけ深く理解されたことはない」
同時にクライエントはこんなことにも気づきます。
「ああ、自分はこんなに悲しいと思っていたんだ・・・」
「私はここまで傷ついていたんだな・・・」
「そうか・・・本当にこの事がショックだったんだ」
そう、理解されることによってクライエントは、自分自身をも理解していくことになるのです。
「理解された」というありがたみによって暖かい気持ちになり、
「気づく」ことによって自分をより理解できるようになる。
この繰り返しを経験していくことで、クライエントは一歩、また一歩と前進する力を取り戻していくわけです。
カウンセリング、それはまさに「人と人」との暖かい交流そのものです。
そしてそこには確かな「絆」や「ふれあい」「信頼関係」といった私たちが見失いがちなものが存在しているのです。
カウンセリングを学ぶとは、つまりはこうした人間関係の暖かさを身を以て体験し直すことだといえるのです。
肯定的配慮(積極的関心)で聞く3つの秘訣
「限りなく肯定的に聞ける人、聞けない人」
カウンセリングの中でクライエントの話を聞く際に、その話をどんな気持ちで聞けるかが重要です。
この聞く時の気持ちというのは、主に二つに大別されます。
○肯定的に聞ける人
●肯定的に聞けない人(⇒否定的に聞く)
カウンセリングで成果を生むためには、もちろん肯定的に聞き続ける必要があります。
ところが、カウンセラーも人間ですので、ある場面ではどうしても否定的にしか聞けなくなる時もあります。
ではいったい、どうして否定的にしか聞けなくなるというそういうことが起きるのでしょうか?
そういうことが起きる理由は、主に3つあります。
1)クライエントを理解したいという気持ちが薄れてしまう
私たちは興味・関心のあるものに対しては肯定的な気持ちになります。
もっと知りたい、もっとわかりたいという気持ちが働くからです。
クライエントをもっと知りたい・わかりたいという気持ちが強ければ、「もっと(積極的に)聞きたい」となるはずです。
2)セラピストのものの見方がまだまだ狭い
人間の捉え方に幅があり、奥行きがあり、なおかつ多面的に捉えられる「眼」を持っていること。
クライエントの話を落ち着いて聞けるためには、懐の広い人間観や人生観を持つことも必要です。
3)セラピスト自身に心的問題が内在している
特定の経験が心に引っかかっていたりすると、同じようなテーマの話を落ち着いて聞くことは難しくなります。
夫婦問題に悩んでいる人が、同じように夫婦問題の相談にしっかりと乗ることは難しくなります。
悩んでも、その問題をしっかりと克服していることが必要です。
クライエントへの共感のみに専念すること
こうした3つの不安要素がなく、クライエントに対して純粋な関心を強く寄せ続けることができると、その限りにおいては肯定的に聞くことができます。
「クライエントのことを理解したい」という気持ちを純粋に強く持つことによって、どこまでも肯定的にクライエントに対応する土台が形成されます。
ロジャーズが提唱したカウンセラーの基本姿勢の一つ。
「限りなく肯定的(積極的)に関心をもって聞くこと」
この言葉の意味は、クライエントの理解に専念することとイコールであるといってもいいでしょう。
私自身も毎回カウンセリングの際には、この3つの観点から自分の面接を検討しています。
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