傾聴力を高める方法とスキル


傾聴力とは、相手の話の一番言いたいことを中心として、その全体的な意味や細部にわたるニュアンス、話し手の感情やその話の背景に至るまで、網羅的に正確に認識する力です。

ですから、傾聴が「あいづち、うなづき、繰り返しだ」などという教えは、全く間違っています。

それは聞く態度の一つに過ぎません。

実際に「あいづち、うなづき、繰り返しだ」だけやって話を聞いてみてください。

互いの間に何ともいえない微妙な空気や気まずさを経験するのがせいぜいです。

では、傾聴力とは何か?そのスキルを高める方法は?

以下に具体的に解説します。

なぜ傾聴力が注目を集めているのか?

近年の社会問題を見てみると、その多くが「こころの問題」に起因しています。

不登校や引きこもり、学校教育現場の問題、職場のメンタルヘルス、人間関係、犯罪etc

その多くがこころの問題が発端となっていて、そこから端を発して人間関係の問題となっています。

引きこもりはある意味、人間関係に裏切られたり、人間関係を放棄してしまった状態ともいえます。

何度も裏切られ、長い年月傷つき続け、その結果として引きこもりに陥ったともいえます。

職場のメンタルヘルスの問題も、そのほとんどが人間関係です。

学級崩壊やクラスの人間関係の崩壊であり、いじめも様々なトラブルも人間関係の中で起こります。

人のこころは人間関係の関係性によって育ちます。

その人の人間性がどう育つかもどのような人間関係の中でどう成長してきたか?

ここに尽きるといってもいいでしょう。

その人間関係も、一つ一つの場面の連続で成り立っています。

どういうコミュニケーションをその時々で経験したか?

それが互いの人間関係を決めていきます。

そして、コミュニケーションの良否も、その瞬間瞬間の言葉のやり取りにかかっています。

つまり、私たちが交わす一つ一つの言葉です。

この一つ一つの言葉をどう聞き、どう理解し、そしてどう投げ返すかで、人間関係も決まります。

傾聴やカウンセリングの学習。

それらが様々な社会的な場面で見直されてきているのは、こうした言葉の重要性が見直されてきているからです。

別な言い方をすれば、私たちは今、言葉を介した意思の疎通が十分にできなくなってきている。

こうした背景が社会的な問題の陰には存在します。

養成塾ではセラピーや心理の分野だけでなく、福祉や教育、医療、ビジネスなど、様々な分野の方が学ばれています。

こうした多岐にわたる分野の方々が傾聴やカウンセリングを学び始めたのには、このような背景があるからです。

言葉を介した意思の疎通に様々な問題が発生しているのです。

傾聴の根本は何か?

それは相手に「まっすぐ関心を向ける姿勢」です。

相手に対するまっすぐな関心があるからこそ、相手の話を集中して聞けるし、理解も深まります。

そして、まっすぐ関心を持たれた方(話し手)も、そのことは肌で感じられるはずです。

私たちは自分自身にまっすぐ関心を向けられることで、安心感を得ますし、相手に信頼も感じます。

そしてこの安心感や信頼感が積み重なることが互いの信頼関係を築いていくことに通じます。

傾聴が知識やテクニックだけでは足りないといわれる所以です。

相手に関心をまっすぐ向けるということは、どういうことなのか?

どんな感覚で、どんな意識が必要で、どんな意味を見出せるのか?

そういうことをじっくり、丁寧に理解し、自分のものとしていくことが大切です。

今年も臨床カウンセラー養成塾では、こうした観点を大事に、じっくり型の学習を大切にしていきます。

傾聴力を向上させるには、数をこなすことよりも、一つ一つのケースをいかに深く丹念に学ぶかが大事です。

人に対する関心の寄せ方を含め、寄り添い方、こころの向き合い方まで、日々の生活に生きる学習を提供してまいります。

傾聴力を具体例でみてみる

カウンセリングの実力というのは、次の3つの力に集約されると思っています。

1)傾聴する能力(正確に聞ける力)

2)共感的理解の能力(的確に、深く理解できる力)

3)応答する力(適切で心に響くレスポンス能力)

一つずつ、簡単な例を交えて説明します。

1)傾聴する能力(正確に聞ける力)

99%の人が、先ずここでつまづきます。ほとんどの人が聞けないのです。

例えばクライエントが、

「なんか不安な感じがするんです」

とつぶやいたとします。

それなのに、カウンセラーの多くが

「不安なんですね」
「なんか不安を感じるんですね」
「不安だと思うんですね」

と応えます。

クライエントが「なんか不安な感じがするんです」と言っているのにです。

「不安です」とは言ってないし、「不安を感じる」とも「不安だと思う」とも言ってないのにです。

さらには、

「心配なんですね」
「なにか気になるんですね」
「恐れを感じるということ?」
「怖いんですね」

と応えていては、クライエントの微妙なニュアンスに対する感度が全く働いていません。。

まして

「どうして不安なんでしょう?」
「何が不安なんですか?」

・・と、いきなり質問になってしまったり・・・

こういうことを面接で平気で(無自覚に)やってしまう。だから、面接がまっとうな方向に深まらないんですね。

2)共感的理解の能力(的確に、深く理解できる力)

クライエントの言動や様子から、クライエントの感覚・経験の世界をリアルに感じ取る能力です。

これは本当に研ぎ澄まされた感覚と鋭敏な神経が必要で、聞く能力と一緒で、嫌になるくらい訓練の積み重ねが必要となります。

3)応答する力(適切で心に響くレスポンス能力)

ここは言葉の選択力がものを言いますが、1)と2)が十分に練られていなければ機能しません。

いかがですか?

「不安だ」ではなく、「不安な感じがする」とはどういう意味か?

「なんか」という表現が前につくのは、どんなニュアンスや感覚なのか?

こうしたことを十分に吟味して瞬間的に生きた応答をする。

だからクライエントは信頼してくれるんですね。

こうしたことは、カウンセリングの本や、カウンセリング学校のテキスト・講義では聞けません。

大学の臨床の授業でも、聞けないのではないかと思います。

でも、生きた人間の心を相手にする私たちは、こうした感性や、人間関係の”機微”というものを頼りに対人援助を行います。

こうした世界から生み出されるものは計り知れない可能性がある。

私はそう信じ、いえ、そう確信しているんですよ。

また、カウンセラーの実力に必要なものとしてもう一つプラスするならば、それは「ケースを見立てる力」だといえます。

あなたは、ケースを見立てる力はありますか?

これがなければ、継続して面接を進展させられません。

正しい傾聴トレーニングがある

実践で通用する傾聴力を高めるには、どうすれば良いのでしょう?

この点で日本のカウンセリング学習には大きな欠点が2つあります。

1)どう出来るかではなく、何を知っているかに重点が置かれる

知識編重の教育になっているんですね。

心理学の理論、その方法論に偏っています。

正直、売っている本やネットの文章を読めばわかるようなこと。

また、実践形式の授業やトレーニングの質が、極めて実践からは程遠いことも挙げられます。

2)実力がつかず、定着もしていかない

トレーニングやワーク、事例検討をしても、それが受講者の実力向上につながらない。

また、学んだことが定着していかず、いつまでも同じ壁にぶつかって突破できないのです。

なぜかというと、実際の神経の働かせ方が改善、向上していかいないからです。

スポーツでいえば、瞬間瞬間の筋肉の動かし方、反射神経の使い方が学べないのと同じ。

こうした問題が長い間日本のカウンセリング学習では解消されていません。

先日、海外(欧米)にセラピー留学に言っている方とちょっとやりとりをする機会がありました。

その方の話だと、やはり海外の心理学は、実習も含め、その内容(クオリティー)が違うらしいです。

その方の言葉を借りると、「鈴木さんが養成塾でやっているような内容に近い」とのことでした。

今回のグループレッスンのメンバーの中には、養成塾で学習を開始した頃とは、まるで違う傾聴姿勢に向上した人もいます。

これだけ短期間で反射神経が磨かれるカリキュラムも、日本に果たしてどれほどあるのか?と思います。

まあ、特別なことは一切やってはいませんが・・・

グループレッスン以外でも、養成塾で学び、このように実力をつけた人には、共通点があります。

その共通点は、実は意外にシンプルなもの。

知ってしまえば「え?そんなこと?」というものです。

では、その共通点とは何か?

答えは「続けている」ということです。

そう、学びをずっと継続しているんですね。

継続すればするほど、力がついてきているんです。

ちなみにグループレッスンは、月1回のペースです。

そんなゆるいペースでも、着実な変化を実感できます。

それは、たとえペースはゆるくても、「続けることそのもの」の威力です。

学びを切らさず、継続していくことが、実は最大のポイントになっていたんですね。

一つだけつけ加えるならば、その学びのカリキュラムが積み上げ式にちゃんとなっていることが条件です。

積み上げることでそれだけ実力も積みあがっていく。

そういう内容になっていることが条件ですね。

そこで、月1ペース程度のゆるいもので、継続学習できるプログラムを作りました。

そしてこのプログラムは、ネットツールを活用した日本全国、海外にも対応したプログラムです。

一度スタートすれば、教室に通ったりしなくても、継続して学び続けられるカリキュラムです。

カウンセリングの学校の授業料って、結構高いところもあります。

年間で50万から100万なんてところも。

それでは大変ですよね。

だから、養成塾では毎月数千円レベルでいて、他の学校では絶対に知りえない濃い内容、実践的で現場で通用するプログラムを提供します。

それも好きな時間に好きな場所で。

ネット経由ですから、PCはもとより、スマホ・タブレットでも学べます。

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心理カウンセラー・臨床カウンセラー養成塾 塾長 鈴木雅幸(コーチ・企業研修講師)のプロフィール

台湾でも出版された「感情は5秒で整えられる(プレジデント社)」の著者で、心理カウンセラーとして6000件以上(2020年4月現在)のカウンセリングを実施。
5年間にわたりスクールカウンセラーとして教育現場の問題解決にあたり、現在も個別に教育相談を受ける。
大手一部上場企業を始めとした社員研修の講師として10年以上登壇し、臨床カウンセラー養成塾を10年以上運営。
コーチとしても様々な目標達成に携わる。
 詳しいプロフィールはこちら

著書「感情は5秒で整えられる(プレジデント社)」