カウンセリングでカウンセラーが最も心がけるべきこと

カウンセラーがカウンセリングで最も心がけるべきことは、クライエントの前にどんな姿勢で、どんな気持ちで、どんなカウンセリング観をもって座るかです。

カウンセリングの成否は、そういう意味では、既にカウンセリングを始める前に決まっているともいえます。

カウンセラーの内面がいかにカウンセリングに目に見えない大きな影響があるかを解説します。

クライエントに肯定的配慮(積極的関心)を寄せるとは?

傾聴・カウンセリングにおいて、カウンセラーの姿勢の一つに「肯定的な関心を寄せる」というものがあります。

カール・R・ロジャーズの3つの姿勢の一つでもあります。

ところが、この「肯定的な」ということの意味を、誤解しているカウンセラーや学習者が意外に多くいます。

結論を先にいうと肯定的というのと「肯定する」というのとは、まるで似て非なるものだということです。

肯定的に聞くというのを「肯定する」と誤解してしまうと、クライエントの話がとても聞きにくくなってしまいます。

もっというと、カウンセラーは基本的にクライエントの話を肯定も否定もしないで聞き続けていきます。

「肯定も否定もしない」となると、いったいどうやって聞けばいいのだとこれまた多くのカウンセラーや学習者が混乱するようです。

しかし、肯定も否定もしないとなると、残る聞き方は一つです。

肯定も否定もしない聞き方とは?

そう「理解する」ということになります。

クライエントの話を肯定も否定もしないで理解することに専念するのです。

理解するのはもちろん「クライエントが伝えようとしていること」をです。

だから「理解を示す」ということとも違います。

言っていることを言っているままに認識するということです。

クライエントの身に何が起きたのか?

そのいきさつはどういうものだったのか?

その経験をクライエントはどのように受け止めているのか?

クライエントの現在の状態、考えていること、思いは何か?

カウンセラーはこうしたことを理解しようと話を聞いていくし、どう理解したかを応答などでクライエントに伝えていきます。

カウンセリングで成されていることは、基本的にこれがメインになります。

クライエントの伝えようとしていることをしっかり理解するためにはカウンセラーはクライエントの話やクライエント自身に対して真っすぐな強い関心を寄せる必要がどうしても出てきます。

クライエントの言動やパーソナリティーを肯定や否定をするのではなく、しっかりと理解できるだけの関心を寄せ続けるのです。

それに、クライエントにしてみたら、肯定や否定は「カウンセラーの評価」となります。

クライエントは自分自身を他人の評価に委ねるのではなく、自分の身に起きた出来事や自分の反応を俯瞰して気づいたことを元に立ち直りを図ります。

クライエントにそうした俯瞰した捉え方を持ってもらうために、カウンセラーの「応答」が必要になってくるのです。

カウンセラーの応答によってクライエントは立ち直る

カウンセラーはクライエントの伝えようとしていることを伝えようとしているままに理解したことを「応答」によって伝えます。

クライエントが

「会社を休める人は勇気があると思う。私にはできない。出来たらどんなにいいだろうと思う」
と言ったら

カウンセラーは
「今の(自分の)状態で生きていくのは、とてもしんどいことなのですね」と応じる。

クライエントが
「自分は間違ったことは言っていないと思います。ただ、言い方には問題があったかもしれない。
だからぶつかちゃったんだけど、でも悲しかった」と言ったら

カウンセラーは「あなたとしては、ただわかってほしかっただけだったんですね」と応じる。

クライエントは自分が伝えたことがカウンセラーの応答によってより洗練され、よりクリアになった形で再認識できます。

そうした再認識を通して自分の状況などを俯瞰するので、より冷静に、より正確に事態を捉え直すことができるのです。

上の例でいえば「自分はこんなにしんどいと思っていたんだな」であり、「そう、わかってほしいという思いが強かったんだな」です。

「肯定的」と「肯定する」はどう違うのか?

そうした俯瞰作業、再認識作業に有効な応答を投げ返すために、カウンセラーはクライエント(の話)に積極的な関心を寄せ続けます。

この積極的な関心を「肯定的な態度・関心」とロジャーズは言っているのです。

決して肯定するという意味ではなく「より集中して」といったニュアンスです。

ところが、学習や経験が浅かったり、指導者にこうした実践理解がないと、学習者は「肯定するの?何も反応しないの?」といった混乱を起こします。

結果として何も反応できないに等しい聞き方や応じ方となり、クライエントに「ただ聞いているだけだった」と失望されてしまうのです。

クライエントに本当に必要なのは、アドバイスではありません。

たとえクライエントが初めのうちはそう望んでいたとしても、本当に必要なのは俯瞰作業であり、再認識作業なのです。

カウンセリングでこうした作業が着実に続いていけば、クライエントはアドバイスなど欲しがらなくなります。

それよりも本質的な解決に向けて、より地に足の着いた俯瞰作業や再認識作業を続けることを望むようになります。

「ただ聞いているだけ」「何か言って欲しかった」となるのは、クライエントがその段階に達していないからです。

または、カウンセラーがそうした応答が出来ないからです。

決してアドバイスがないとか、傾聴が無効であったということではありません。

肯定的な関心をしっかりと寄せ、クライエントの伝えていることを理解する。

その理解したものを応答に反映させ、その応答からクライエントの俯瞰作業、再認識作業が始まり、自己洞察や状況の整理、そして解決行動の選択に至る。

これがしっかりとしたカウンセリングの流れなんですね。

理解がなければカウンセリングは先に進めなくなる

カウンセリングの面接で、私が一番心がけていることがあります。

私が面接に臨むにあたって一番心がけていること。

それは「理解すること」です。

何を理解するかというと、クライエントの話していること、訴えたいこと、クライエントが経験したこと。

それらをできる限りそのまま受け止め、できる限り理解することです。

はっきりいって、私が面接でやっていることは、ただただ「理解する」「理解に努める」ことだけ。

そう言っても過言ではないかもしれません。

クライエントは様々な話をしてくださいます。

その時、こちらは、つまりカウンセラーはその一言半句に至るまでひたすら「理解する」ことに専念します。

話されること、口から発せられる表現、言葉、その一つ一つをその瞬間瞬間で聞き、理解していくように、細心の注意を払っていきます。

その時、もし、クライエントの話してくださっている話や、その言葉や表現の意味するところが、その瞬間では理解できない場合。

今一つその言葉や話の内容が腑に落ちない、「わかった」とまでならない場合。

こんな時は、カウンセラーは理解ができるまで、先に進めなくなるものです。

カウンセリングであいづちがいかに重要かという話

「あいづち」というものがありますね。

この「あいづち」は、相手のそこまで聞いた話、言葉、表現、その言わんとするところ、意味するところが「わかった」時点でうつものです。

「ああ、なるほど、わかった、理解できた」

「そうか、そういうことか」

このレスポンスの一つが「あいづち」なんです。

ですから、そこまでの話しや言葉が理解できない場合には、この「あいづち」も、聞き手としてはしっかりうてなくなるはずです。

そこでカウンセラーは、もう少し聞けば、言わんとしていることが理解できるかもしれない。

そう思いながら、もう少し辛抱強く話を聞き続けます。

しかし、それでもどうも理解できない、わかったという感じになれない場合は、カウンセラーは積極的に「確かめる」という対応をします。

それは「ここまでの話はこういうことですね?」という確認応答だったり、「それはこういうこと?」という問いかけだったりします。

いずれにしろ、わからない、理解できないまま、クライエントの話を聞き続けると、そこから先はずっと「理解できない」状態が続きます。

これではその面接での「共感的理解」もおぼつかないですね。

大事なことなので、繰り返します。

先ずクライエントの話し、言葉、表現などの言わんとしていること。

その意味を「ああ、なるほど、そうか」「うん、わかった」としっかり納得がいくまでの理解を常に心がけることです。

それが「傾聴」や「共感的理解」の基本中の基本です。

あなたは人の話を聞くとき、相手の言葉、一つの話が話された時点で、「ああ、わかった」「なるほど、そういうことか」という理解が伴っていますか?

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