カウンセラーになるために必要なことは実力です。
クライエントから信頼され、確かな立ち直りの援助ができるだけの力をつけることです。
そのために自分自身の人間性や人格、専門性、それらを培うトレーニング、指導者の存在などですね。
そのあたり、わかりやすく書いてみました。
もくじ
カウンセラーになるにはカウンセリング(教育分析)を受けよう
今日は、カウンセラーとしてカウンセリングを行う場合に、大事な条件についてお伝えしようと思います。
それは、カウンセラーの日常生活や人生を整えるということです。
具体的に言うと、カウンセラーの精神状態、カウンセラーの家族関係、そしてカウンセラーの人間関係ですね。
こうしたところをできるだけ整えていくことがカウンセリングを行う上では必須条件だということです。
まず、カウンセラーとしてカウンセリングを行う際には、自分自身の精神状態を安定させることが絶対条件です。
カウンセラー自身の精神的なバランス、安定した人間性は、カウンセリングを行う上では必要条件といえます。
ロジャーズはこれを自己一致している状態という言い方で説明し、カウンセラーの精神状態がカウンセリングに与える影響についてかなり詳細に解いています。
こうしてカウンセラーのパーソナリティーを整えておくためには、指導者のカウンセリングを受ける、いわゆる教育分析がおすすめです。
カウンセラーとしてやっていくためには、自分が尊敬し、信頼できる指導者のカウンセリングを受けることです。
そして、自分がカウンセリングをやるにあたって障害となる要素が自分にないかどうか。
精神的な安定性やバランスを欠いていないかどうか。
心の問題があったり、防衛機制が強く働くことは無いか。
そうしたことを指導者(スーパーバイザー)より分析と指摘をもらいます。
またこうした教育分析を通して、カウンセラー自身が自分の自己分析をしっかりと行います。
ですので、カウンセラーになろうという人は、指導者の教育分析をしっかりと受ける必要があります。
ちなみに私の場合は、先輩カウンセラーの教育分析を受けて、問題は特にないと言われました。
また、その後、指導者であった吉田哲の教育分析も受け、カウンセリングを行う上で特に問題はないという結論をもらいました。
自分の事というのは意外と自分が一番わからないものです。
ですから信頼できる指導者からしっかりとした分析や指導を受けることが重要です。
カウンセラーとして自分の人格や家族関係を見つめ直す
続いて、カウンセラー自身の家族関係についてもきちんと整理しておくことが必要です。
自分と親との関係については、ある程度自分の心の中で整理がついていることが必要です。
また、自分自身が所帯を持った場合には、自分の家族が幸せであるか?
機能不全家族に陥っていないかなどを厳密に検討しましょう。
特に自分の正体、つまり自分が夫や妻であり自分が父親や母親であるという場合には、家族の幸せは自分次第であるといえます。
そういう気概がなければ、そもそも、しっかりとしたカウンセリングは出来ません。
そして家族以外の自分自身の人間関係、つまり社会生活をしっかりと送れているかどうか。
この点についてもカウンセリングを行う上では非常に重要な要素になります。
社会的な生活もままならず、社会的な人間関係もまるでうまくいかないという人が、カウンセリングをしっかりとすることは、まずできません。
厳しい話に聞こえるようですが、クライエントの立場からすれば、これは当たり前の話です。
カウンセラーになるには十分なトレーニングが必要
こうした諸々の条件をしっかりと整えた上で、初めてしっかりとしたカウンセリングや対人援助が可能になります。
ここの部分の条件が不十分なまま臨床心理の分野で活動している人があまりにも多く見られます。
自分の生活もままならない人がカウンセラーとして人の生活の支援はできませんよね。
これもクライエントからすれば当たり前の話なのです。
ですから、この点が不安であるならば、一刻も早く条件が整うような取り組みが必要になります。
指導者の教育分析を受け、エンカウンターグループなどのグループセッションを体験する。
そのような取り組みを続け、自分のパーソナリティーや家族関係、社会的な人間関係等の社会生活全般を見直すことをお勧めします。
実はカウンセリングには確かな思想や哲学、人生観も必要
様々なテーマの相談に応じていく。
そのためにカウンセラーにはしっかりとした思想、哲学が必要です。
これは先ほどの傾聴レッスンでも話題になったことなのですが、大事なことなのでこちらでも書きます。
カウンセリングに持ち込まれる相談内容は、実に多岐に渡ります。
学校生活に関する問題、仕事の悩み、職場の人間関係、家族の問題、自分の性格や能力についてや、人生そのものの生き方まで。
生きていくあらゆる場面やテーマと向き合うことになります。
ですからカウンセラーのもつ守備範囲の広さ。
これがまず求められるということ。
そして問題に対する理解の深さ、専門性、先見性、そして、しっかりとした人生観や思想も必要になります。
カウンセラーは対応するにあたっては、思い込みや偏見など、狭く偏ったものの見方にならないように気をつける必要があります。
ですから、カウンセリングをする際には出来る限りニュートラルな状態でいることが大切です。
その一方でそれぞれの問題に対してしっかりと取り組むためには、その問題の所在を的確に捉え、適切な解決行動を選択出来なければなりません。
そのためにはカウンセラー自身の軸、思想、哲学が重要になります。
カウンセラーになるには「眼力」も養おう
では、カウンセラーとしてそうした地に足のついた思想・哲学、またカウンセリング観は、いかにして熟成させることが出来るのでしょうか?
まず、とにもかくにも勉強です。
本を読んだり、セミナーに参加したり、適宜調べていくことですね。
その上で様々な経験を積んでいくことです。
それから、世の中や身近に起こった出来事、ニュースや社会問題に対して、自分なりの捉え方をするように習慣化します。
世の中で起きた事故、事件、話題になっていること。
これらに対して、マスメディアや大衆の観方を鵜呑みにせず「本当にそうなのかな?」と、改めて自分で捉え直してみるのです。
自分で腑に落ちるところまで突き詰めて、調べる必要を感じたら自分の仮説が合っているか、間違っているかの答えが見つかるまで調べてみる。
こうしたことを日常的にやっていくと、物事の本質を見極める「眼力」も養えます。
実はこの「眼力」が、カウンセラーにはかなり重要なんですね。
「眼力」がつくと、場合によっては問題の所在や本質がパッとわかるようになり、解決策も素早く見えてきます。
つまり、こうしたことも日々の積み重ねが大きいといえるのです。
応答技法もそれをするカウンセラーの人間力次第
カウンセリングの話というと、どちらかというと心理学の理論や応答の仕方といった技法の話になりがちです。
しかし、そうしたことの土台になっていくのは、カウンセラーの有している思想や哲学、人生観。
別なことばでいえば、カウンセラーの人間性です。
こうした土台も常に磨いていくことをしていけば、カウンセリングの面接そのものに厚みと深みが出てきます。
人生の問題にしっかりと向き合うためには、こうした土台づくりがとても大切になります。
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