なぜ傾聴は人間関係や精神状態を回復させるのか?

なぜ傾聴は希薄な人間関係に血の通った関係を取り戻し、精神状態を回復させるのか?

それを理解するには、傾聴やカウンセリングの本質はどういうもので、どういうやり取りで何が生み出されるのかについて、改めて知る必要がありますので、改めてわかりやすく解説します。

犯罪増加、キレる人増えた、その原因は感情的な人が増えたから

相変わらず非常に胸の痛む事件が続いています。

これらは、残忍な犯行であると同時に、実に短絡的、感情的(衝動的)な犯行です。

また、ネット上などでは、何か話題に対して、すぐに誹謗中傷や無責任な批判コメントで炎上が起こることも増えました。

こうした背景にあるのは、以前よりも私たちが「感情的になりやすくなった」ということが挙げられると思います。

感情的になったという事は、別の表現をすると「反応的になった」とも言えます。

何かを経験したときに、すぐ感情的になったり、すぐ反応的な態度になってしまう。

具体的にはすぐに落ち込む、すぐに怒り出す(キレる)、すぐに自分の意見や価値観を押し付ける。

つまり、目の前の状況をしっかりと捉えられなくなってきたのです。

または、相手の話をしっかりと聞くことができなくなってしまったのです。

要はきちんとコミニケーションを取るということができなくなってきている。

人間関係が希薄になってきているわけです。

人間関係の希薄さ、他人への関心がなくなる?

相手の話をしっかりと聞くことができないというのは、目の前の相手に対して人間的な関心が希薄になったともいえます。

目の前のこの人はどんな人なのだろう?

どういう人柄で、どういう人生を歩んできたのだろう?

今、物事をどう捉えているのだろう?

自分自身のことやこちらのことをどのように捉えているのだろう?

今、どんな気持ちで、何を考え、どんなことを望み、どんなことを避けたいと思っているのだろう?

こうした相手への関心が薄くなってきているのです。

以前にも増して人への関心興味が希薄になってきている。

そのことが人間関係の希薄さにつながり、それがコミニケーションの希薄さにつながっている。

結果として感情的、反応的な態度にしかならなくなってきているともいえます。

ではなぜ目の前の相手に対して、人間としての関心の持ち方が希薄になってきてしまったのでしょう?

傾聴を学ぶとは、心を通わす術を身につけること

それは私たち自身の精神的な余裕のなさが起因しているかもしれません。

日々の生活でいっぱいいっぱいになっている。

目の前に山積した問題解決に日々追われている。

そのために、それ以外の事に目を配ったり、関心を寄せるという余裕がない。

本当は1番大切な人とのコミュニケーションや、人間関係を築くということ。

そこにまでエネルギー注げなくなっている。

そのために、相手への関心が薄れ、人間関係も希薄になり、その結果として感情的、反応的な態度しか取れなくなってきている。

こうした悪循環が今、社会生活を送る私たちの中で起きています。

先日久しぶりに傾聴スキルセミナーを開催しました。

参加された方々は皆、一様に自分以外の人間に対する興味や関心がある人たちでした。

人への興味・関心を持ちながら、そこでぶつかった問いに対する答えを探す。

そのためにセミナーに参加されていたようです。

カウンセラーの方や、カウンセラーを目指す方もいらっしゃいました。

相手の話を聞くと言うことに興味がある。

それは、自分の周囲にいる人たちに対して何らかの興味や関心を持っているということです。

だからこそ、目の前の人間の話をしっかりと聞きたい。

目の前の人間としっかりとコンタクトを取れるようになりたい。

目の前の人間と心を通わせるということを大切にしたくなるわけです。

そこで、相手の話をしっかりと聞くということを通して、目の前の人間に対してしっかりと関心を寄せていくということも学びます。

傾聴の学びを通して、私たちは目の前の相手といかにしっかりと心を通わせるかということを学んでいくのです。

傾聴の学習とは、単に聞き方のテクニックを知ることではありません。

相手の感情を操作するといった浅はかな学びでもないのです。

相手と心を通わすることによって得られる充実感や充足感。

こうした経験を積み上げていくことの喜びを知るということも学びの1つです。

カウンセリングや傾聴を学ぶとは、単に心理学の理論や知識を詰め込み、相手の心を動かすテクニックを知ることではありません。

カウンセリングや傾聴の学びは、人間を知るということです。

そして心通わす喜びを知る事でもあり、人生や生きると言うことを深く学ぶことでもあります。

なぜ傾聴は人間の精神状態を落ち着かせるのか?

「傾聴がなぜ人の心を落ち着かせ、精神機能を回復させるのか?」

あなたはどう思いますか?

傾聴を学ぶなら、このことはしっかりと頭に据えた上でなければ、学びも不十分になります。

なぜ回復につながるのかを理解していなければ、実際に現場でも実践が思うようにいきません。

傾聴がなぜ心を落ち着かせ、精神機能を回復させるのかを知るには、そもそもカウンセリングがなぜ・・ということを知る必要があります。

カウンセリングは対話を通したセラピーです。

カウンセラーとのコミュニケーション体験によって、クライエントの精神状態が安定し、落ち着いてものを考えられるようになる。

そこから自分が置かれた状況を俯瞰(ふかん)でき、何をすべきかが見えてきて、正しい行動が取れることで、難局であっても打開できるようになります。

では、なぜカウンセリングの対話によって、クライエントは状況を俯瞰できるのでしょうか?

傾聴されて自分を俯瞰できるから立ち直れる

カウンセリングでクライエントは、自分のことを話します。

先ず、ここが一つのポイントです。

相手(カウンセラー)に自分のことを正確に伝えようとしますから、伝わるように言葉選びや文章の組み立てを行います。

この作業でクライエント自身の頭の中が整理されます。

自分がどういう状況に陥って、どんな状態にあるのかをわかりやすく伝えようとすることで、自分自身の中でもそれらが整理されてくるのです。

続いて、それを聞いたカウンセラーが、聞いたことをどのように理解できたかをリアクションします。

カウンセラーの相槌やうなづき、そして応答などを通して、クライエントは自分の話したことを、違った形で受け取ることになります。

話したことがブーメランのように返って来た時には、話したことがより整理され、より本質的な形となって戻ってきます。

それにより、自分が置かれた状況や精神状態を、さらに客観的に、俯瞰して捉え直すことができます。

このコミュニケーションを継続すればするほど、クライエントは自分の置かれた状況や自分の精神状態を俯瞰できるので、徐々に気持ちが落ち着いてきます。

そうなると、冷静な思考ができ、改めて状況を落ち着いて捉え、より必要な判断や行動につながります。

こうした経験を続けるからこそ、カウンセリングに通うことでクライエントは立ち直っていくわけです。

そして、こうした全体的な流れの要になるのが、クライエントの情報や状態を、カウンセラーが正確に把握することだということがわかります。

「傾聴がなぜ人の心を落ち着かせ、精神機能を回復させるのか?」

それは、対話を通して生まれる俯瞰的な捉え方が、次の一手を考えることに有効だからです。

そして、その最初の一歩として常に求められるのが、クライエントからの情報を正確にインプットすること。

つまり「傾聴」が常に求められるといえるし、傾聴なくして始まらないともいえるのです。

コロナ禍でのカウンセリング

※以下は2020年4月時点の文章です。

ただ、現在カウンセリングやコーチングでも、コロナの影響に関するご相談が増えてきました。

具体的には職場や仕事に絡んだご相談ですね。

例えば、今回要請されているテレワークですが、これは会社や業種によってかなりバラツキが出ています。

そもそも業種や業態的にテレワークが難しいところもあります。

例えば医療・福祉・保育の現場はもちろんのこと、食料品や生活必需品を置いているスーパー・コンビニ・ドラッグストアなどが、その代表例。

一方、本来業種的にも職種的にもテレワークが出来るのに、会社そのものの体制が整っていないために出社せざるをえないという人のご相談も多いです。

通勤電車で感染しないのか?

相変わらず社内の部屋で会議をしているが、大丈夫か?

もし、社員ですでに感染者がいたら・・・

過剰な不安というよりも、こうしたある意味「現実的な不安」からのご相談が増えてきています。

こういう場合、こちらにウイルスや感染に対する知識がないと相談に対応できないので、基礎知識は押さえています。

そしてまず、ウイルスや感染のメカニズムをわかりやすく説明します。

それから、具体的にその状況でやるべきこと、回避すべきことをお伝えします。

その上でカウンセリングを行うため、心のケアもよりしっかりと出来ています。

また、この状況下で会社内が混乱を見せ、人間関係もギスギスしてきた。

コミュニケーションがとても取りづらく、仕事にも支障が出てきた。

こういうご相談も増えています。

その場合は、この状況下での具体的な仕事の進め方や職場内での言葉の選び方、報告や連絡、そして相談の仕方を、その時その時の場面に合わせてアドバイスしています。

この状況下で「心の落ち着け方」だけ伝えても意味がありません。

現状の不安を吐き出すだけでは、何も解決しません。

ですからウイルスの知識、感染予防の具体的知識と情報、今後の正確な見通しを持って相談業務にあたっています。

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心理カウンセラー・臨床カウンセラー養成塾 塾長 鈴木雅幸(コーチ・企業研修講師)のプロフィール

台湾でも出版された「感情は5秒で整えられる(プレジデント社)」の著者で、心理カウンセラーとして6000件以上(2020年4月現在)のカウンセリングを実施。
5年間にわたりスクールカウンセラーとして教育現場の問題解決にあたり、現在も個別に教育相談を受ける。
大手一部上場企業を始めとした社員研修の講師として10年以上登壇し、臨床カウンセラー養成塾を10年以上運営。
コーチとしても様々な目標達成に携わる。
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著書「感情は5秒で整えられる(プレジデント社)」