カウンセリングの効果と活用法について、実際の臨床面接の経験をもとに、明確に示していきたいと思います。
カウンセリングで得られることは、単なる癒しやストレス解消に留まるものではありません。
もっと根本的な解決や、人生を生きていく上での本質的な学びを得られる貴重な体験の場なのです。
カウンセリングを勉強しようと思う方、受けようと思う方、どちらも必見です。
カウンセリングとは
カウンセリングとは心理療法の一つです 。
基本的には一対一の対話を通して問題解決や精神機能の回復を図るセラピーです。
別な言い方をすればカウンセリングはひとつの人間関係です
クライエントとカウンセラーが一対一となり、言葉を介して意思の疎通を図ること。
つまりコミュニケーションを通した一つの人間関係を経験します。
分類で言えばセラピーだと言えるのですが、実際に行うにあたっては人間関係の経験の場であると言う意識を持つほうが、血の通ったやり取りが可能になります。
カウンセリングに持ち込まれる相談内容は、日常生活で起こる様々な出来事がテーマとなります。
そして、そうした日常の様々な問題の根底には必ずと言っていいほど心の問題があります。
カウンセリングは、心の交流を通してそうした心の問題、心理的な問題を解決していくことも、その目的の一つとしています。
ですからカウンセリングを行う際には、心理学の理論や知識・情報を用いるだけではうまくいかなくなることが多くなります。
生身の人間を相手にしたセッションでは理論や知識・判断だけでは解決しない問題が様々あるからです。
例えば頭では分かってはいるけれどもその考えに気持ちや心がついてこない。
こうしたジレンマに悩むのが私たち人間の常です。
怒ってはいけないとわかっていてもつい怒ってしまう。
とことん話を聞いてあげなきゃと思っていても、つい色々なことを言いたくなってしまう。
もっとこうしてあげなきゃと思うんだけ、どなかなか行動に移せない。
頑張らなきゃと思うんだけど、気力が湧いてこない。
こうした様々な悩みは心に何か問題が起きているために起こる問題です。
この心の問題を解決するには、知識や理論・情報からのアドバイス・説得・激励などは、残念ながら無力です。
心の問題を解決するには、その人の心が動いていくことが大切です。
心を動かされる体験が、その人の心の問題を解決していくともいえます。
カウンセリングを通して経験するコミュニケーションや人間関係は、そうした心の動きに繋がっていく経験の場だともいえるのです。
ですからカウンセリングは心の交流であり、人間関係の経験の場であり、そうした経験から学び、成長していく場だともいえるのです。
カウンセリングの効果
カウンセリングの効果というのは、どういったところにあるのでしょう。
何を持ってカウンセリングは効果があったといえるのでしょう。
カウンセリングの効果が認められるのはクライアントの行動に変化が起きた時です。
クライアントの行動が変わってきた時、その行動の変化をもってカウンセリングの効果が認められたと言えるわけです。
例えば、わかりやすい例でいうと、行けなかった学校に行くようになった。
夫婦喧嘩が絶えなかったのが喧嘩をしないで済むようになった。
話す時の言葉や表現・服装・表情・顔つきが変わってきたというのも含まれます。
こうして具体的な行動の変化が見られるようになってきた時、カウンセリングの効果が出てきたと言えるのです。
ではなぜそのような具体的な行動の変化が生まれるのでしょうか?
人間の行動が変わる時というのは、その行動の動機が変わる時だともいえます。
私たちが何か行動を起こす時には、必ずその行動を起こす動機が存在します。
行動が変わるということはその動機が変わるということです。
例えば、ひたすら何かを避けるためにとる行動と、何かを獲得するためにとる行動とは、自ずと違ってくることは容易に理解できるでしょう。
不登校だった子供が登校できるようになったのは、そうした動機の変化によって行動が変わったと言えます。
動機の変化はその人間の捉え方が変わることにより起こります。
また、精神状態に変化が起きて、求めるものが変わってくることにより行動の動機が変わるわけです。
例えば、クライエントの中で仕事というものがただただ自分の脅威でしかないという捉え方だったとします。
その捉え方が、自分に様々な学びをもたらすかけがえのない経験だと変われば、会社に行く時の心持や働き方に変化が出てくるでしょう。
カウンセリングは精神的な苦痛を一時的に解消させたり取り去ることを本当の目的とはしていません。
継続していく過程でそうした精神的苦痛の解消は見られますが、目的はもっと先にあるのです。
カウンセリングが本当に目的としているところは、クライアントの人間的成長なのです。
先の仕事の捉え方にしても、クライアントが捉え方を進化させていく中で人間的に成長することで、行動が変化していきます。
私たちが人生でぶつかる様々な問題に取り組み、ひとつひとつクリアして行けるのも、私たち自身の人間的な成長があるからです。
カウンセリングはそうした人間的成長を引き出すための経験の場、学習の場とも言えるのです。
したがって、カウンセリングの効果というのは、そうした人間的な成長によって起きる行動の変化が見られたときと言えるのではないでしょうか。
カウンセリングは意味がない?
カウンセリングなんか意味がないよね
そうした言葉を聞くこともあるでしょう。
私たちカウンセリングに従事する者としては、この「意味がない」という言葉の意味を重く受け止める必要があるでしょう。
ではなぜカウンセリングなんか意味がないなどと言った言葉が聞かれるのでしょうか。
これはおそらくカウンセリングを受けたけれども効果を感じられなかった。
カウンセリングに通ったけれども、かえって状態が悪くなったり不愉快な思いをするだけだった。
こうした体験をもとにした言葉なのではないかと推察されます。
つまり、カウンセリングに期待をしていたけれども受けた結果、失望したということになります。
こうした経験から、あるいはそうした経験談を耳にすることによって、カウンセリングは意味がないんだなという認識につながっていくと思われます。
ただ、この言葉を私は重くは受け止めますが「意味がない」という結論に至るには、やや短絡的な捉え方が含まれているのではないかとも思っています。
なぜなら、こうした声と同時にカウンセリングを受けてよかった。
カウンセリングを受けておかげで人生が変わった。
そうした声があることもまた事実だからです。
これほどカウンセリングに対する捉え方の違い差が生まれるのは、カウンセリングそのものというよりも、その「やり方の問題」が大きいと思われます。
しっかりとしたカウンセリングが行われるならば、それだけ効果が認められ、受けた人間の印象も良いものになるでしょう。
一方で未熟で不適切なカウンセリングがなされるならば、効果も見られないでしょうし、受けた人間の評価も著しく低いものになるはずです。
そしてカウンセリングを受ける前の期待が高ければ高いほど、不適切なカウンセリングを受けた時の失望は深く、裏切られた思いにもなり、受けた人間の心に爪痕を残す場合もあるでしょう。
つまり、「カウンセリングは意味がない」ではなく「不適切なカウンセリングを受けたので意味がなかったと」いうのが正確な表現かもしれません。
ただ、カウンセリングに限界があることもまた事実です。
例えば、内因性のうつ病、統合失調症、双極性障害、強迫性障害(心因性を除く)などは、カウンセリングで完治することはありません。
これらの心の病はもともと、今の医学では完治しない病気ですので、カウンセリングでできることは、不安定な精神状態をできるだけ安定させることまでです。
あるいは、その病態が重篤な場合はカウンセリングを行うのがむしろ適切ではないと判断される場合もあります。
そうしたケースを除いた場合、しっかりとしたカウンセリングがなされるかどうかが焦点になってくるでしょう。
いずれにしてもカウンセリングなんて意味がないという言葉の意味を、我々カウンセラーは改めてしっかり受け止める必要があるでしょう。
我々カウンセラーはこうしたカウンセリングの限界を常に意識しながら、出来る限りしっかりとした面接ができるように、あらゆる角度から検証を続けていくしかないでしょう。
カウンセリングと共感的理解
カウンセリングを勉強していくと共感的理解という言葉を必ず学ぶことになるでしょう。
ある意味、共感的理解はカウンセリングにとって欠かすことのできないものと言えるからです。
共感的理解とは、カウンセリングを行う中で常に意識していくひとつの対応です。
共感的理解とはクライアントが言いたいこと、わかってほしいこと、訴えたいことを、クライエントの言いたいままに、わかってほしいままに、訴えたいままに理解していくことです。
また、クライアントのその時々の経験・感情・考え・感覚などを同じようにカウンセラーがわかち合っていくことをもさしています。
私たちは自分の気持ちや感覚・経験を誰かに同じように分かち合ってもらえた時、そのことに深い喜びと感謝の念を覚えるのです。
私たちが大きな喜びの一つと言えることは、「ただただ自分自身を深く理解してもらえることそのもの」だとも言えるでしょう
相手に自分のことを深く理解してもらえたという実感は、同時に自分に対して深い関心を向けてもらえているという実感にもつながるからです。
私たちは自分に深く関心を寄せてくれる人に対して好感を持ち、心を開き、信頼を寄せたくなるものです。
同時に深く理解してもらえたことによって、自分は他の人達に比べ、変わっていたり劣っていたりするわけではないのだという実感を持つに至ります。
理解されるということは、自分の存在を丸ごと受け入れてもらえたと思えるような体験なのです。
逆に言えば、自分のことを誰もわかってくれない理解してもらえないという 経験ほど、人間にとって孤独で辛い経験はないのかもしれません。
絶望のどん底にいる人間の多くが、自分はたった一人ぼっちであると言う孤独感に苛まれていると思われます。
だからこそ共感的理解を実践していくことは、目の前にいるクライアントにとってどれほどの救いと力に変わることでしょう。
そして共感的理解をひとつまたひとつと積み重ねていく人間関係こそが、カウンセリングで経験している人間関係だといっても良いでしょう。
カウンセリングルームは東京にたくさんある
実はカウンセリングルームというのは東京や大阪といった大都市には、とてもたくさん存在します。
特に東京にはカウンセリングルームが本当にたくさんあります。
そのために一体どこのカウンセリングルームに行けば良いのか?
どのカウンセラーに相談するのが良いのか
たくさんありすぎてよくわからない、選ぶことができないという人も少なくないでしょう。
また、私たちカウンセラーが仕事としてカウンセリングを行うときに、東京という場所は競合するカウンセリングルームがたくさんある場所だとも言えるのです。
例えば同じ町内に小児科が一件しかないのと十件あるのとでは、一件当たりの来院される患者さんの数が違ってきますよね。
それと同じで、町内にカウンセリングルームが一件しかないのと十件もあるのとでは、一つのルームに来談される相談者の数も違ってくるんです。
ですから、カウンセリングを仕事にしようと思うのであれば、東京よりも地方の方が有利です。
カウンセリングを受けようとしている人にとっても、十件より一軒の方が選びやすいことは明白ですね。
ではたくさんあるカウンセリングルームの中でどこを選べば良いのか?
まずは予算でしょう。
東京は家賃が高いこともあって、地方に比べればそれが料金に反映し、やや高めの相談料金になっているところが多いでしょう。
まずは自分の予算、一回のカウンセリングにいくらかけられるのかから考えていくしかないでしょう。
続いてそのカウンセラーがどんな人間で、どのような考えのもとにカウンセリングを行っているのかということを調べると良いでしょう。
今はブログや SNS などインターネットでそうした情報が調べられます。
カウンセラーがどんな情報発信の仕方をしていて、どんな内容の文章を書いているのか?
文章の書き方、書いてある内容などから、そのカウンセラーの人となり、カウンセリングに対する思い、カウンセリングの方法などを知ることができます。
もちろん実際に会ってみないと分からない部分は残るのですが、そのカウンセラーの発信している情報をつぶさに読み、観察することで、ある程度のことは見えてくるでしょう。
例えば、何かの批判の多い発信をするカウンセラーであればちょっと心配にもなってくるでしょう。
自信なさげであったり精神的に不安定であったり、愚痴や不満が目立つ発信をするカウンセラーであれば、やっぱり不安になってくるでしょう。
逆に安定感があり、バランスも良くしっかりとした軸を持ち、それでいて柔軟性があり、人間理解が深く、暖かい人間性を感じさせる発信であり、なおかつそこに嘘がないと直感させるものがあれば、一度受けてみるのも良いかもしれません。
カウンセラーも人間ですから当然未熟な部分はあります。
しかし、その未熟な部分と常に向き合い、向上していくことを怠らない、そうした姿勢を感じられれば、良いカウンセリングが行われている可能性はそれだけ高いと言えるかもしれません。
例えば同じことを言っていても、人によってその響き方や説得力に違いが感じられる事ってありますよね。
同じことを言っているのに全然心に響かない場合もあれば、胸に深く響いてくる場合もある。
ということは話している内容や話し方もさることながら、どんな人間性を持った人間が話しているのかということのほうが大きいということになります。
「何を言っているかよりも誰が言っているか」の方が大きいということです。
そうした意味ではどんなカウンセリングをしているかもさることながら、どんな人間がしているのかということも、とても重要になってくると言えそうです。
そして、そうした人間性は都会であろうが地方であろうが離島であろうが、地域に関係なくその人その人だということも言えそうです。
なぜなら、人間性というものはその人がどう生きてきたか、どんな気持ちで日々過ごしてきたか。
どんな姿勢で人と向き合ってきたか、そして自分とどれだけ向き合ってきたか。
そうした事の積み重ねによってにじみ出て、漂ってくるものだと言えるからです。
カウンセリング、無料相談と有料相談の違い
カウンセリングには無料の相談のものと、有料の相談のものとがあります。
カウンセリングを受ける場合にはどの程度の予算が用意できるかということは大切ですが、無料と有料はそれぞれどう違うのでしょうか・
私は本当に自分を変えたいとか、今後の人生を切り開いていきたいとか、今直面してる問題をしっかりと解決していきたいと思うのであれば、お金を払って相談を受ける有料相談をお勧めします。
もちろん、無料相談よりも全ての有料相談の方がいいと言っているわけではありません。
お金をいただかなくても優れたカウンセリングができる人もいるでしょう。
お金をもらっているのにいい加減なカウンセリングをする人もいるでしょう。
しかしお金を払い、お金をいただくという関係性には、それ相応の緊張感・責任感・本気度、しっかりとした意識などが出てきます。
お金をもらう側にはもらうだけの覚悟が出てくるし、お金を払う側にも払ったからには本気でやらなければという意識が生まれやすいのも事実です。
そういうことからすれば、私はカウンセリングを受けるのであれば、またしっかりと問題解決していこうと思うのであれば、有料のカウンセリングをお勧めいたします。
また、カウンセリング研究の観点からいっても、有料のカウンセリングの方が成功率が高いという事実もあるのです。
何度も言いますが、有料なから100%良いとか、無料だから100%ダメだとか、そんなことはありません。
ただ、無料よりも有料の方が確率的にいって成功率も高く、しっかりとしたカウンセリングを受けられる確率も高めだということは否めません。
また、欧米に比べると日本では、こうした心理的な取り組み、内面的な取り組みに対して、「投資をする」という発想がまだまだ希薄なところがあります。
アメリカでは企業の経営者がコーチやコンサルタントと同様に、自分専属のカウンセラーを置き、メンタルヘルスを常に良い状態に整える努力を惜しみません。
そこまでいかないとしても、今、日本でも50名以上の企業に対しては厚生労働省からストレスチェックを年一回実施するようにという法律が施行されました。
職場のメンタルヘルスの問題は、年々その申告さを増していく一方だからです。
そうしたことに対して抜本的な取り組みや改革を実施するならば、当然お金はかかります。
行政や組織だけでなく、個人で見てみても自分の心に投資をしていくという意識は、これから徐々に高まっていくかもしれません。
何度も言いますが、まず投資といっても予算ありきのことでしょう。
自分の予算の範囲内において、できる限り信頼できる、質の良いカウンセリングルームを探し、 直面している問題が解決されることを願っています。
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